ヴィクター・パパネック
オーストリアのウィーンに生まれ。アメリカ合衆国で活躍したデザイナー、デザイン教育者、デザイン評論家。「タリアセン・フェローシップ」と呼ばれる一種の建築塾を提唱したフランク・ロイド・ライトに学び、工業生産住居「ダイマキシオン・ハウス」を開発したバックミンスター・フラーから多大な影響を受けた。ビクター・パパネックは、現代のデザインを独自のヴィジョンに基づき極めて辛辣な批評を展開したとして有名である。インダストリアル・デザインが殺人を行っており、自動車などは殺人を手助けする犯罪的で危険なプロダクトであるなどとした。
1971年に刊行された書籍「生きのびるためのデザイン」では、自動車や鉄道などの交通インフラ、印刷メディアなど活字媒体の衰退や消滅、自動運転による交通機関、インターネットなどの通信技術やエコ・デザインの実用化および発展など、プロダクトやコミュニケーションに関わるデザインの画期的な変容を予言している。当時としてはあまりに突飛なビクター・パパネックの理論は、近未来の夢物語としか受け入れられず、デザイン業界を二分するほどの物議も醸したが、同書は23カ国において翻訳されて流通しており、現在ではデザイン書の古典として広く利用されている。
文献
生きのびるためのデザイン
図書館で借りて読むかな...
参考