非晶質シリカ含有率が高い土
具体的には、以下の粘性土が用いられ、その非晶質シリカ含有率(SiO2換算質量%)は以下の通りです。
メタカオリン:非晶質シリカ含有率が**26.4%**と最も高い部類に属します(無機非晶質シリカ96.3%、生物由来非晶質シリカ3.7%)。メタカオリンは、カオリン鉱物を特定の温度で焼成することで得られ、非晶質シリカ等の非晶質物質を多く含むことが特徴です。 カオリン粘土Aとメタカオリンの混合土:非晶質シリカ含有率の異なる粘性土を作製するために、インドネシア産カオリン粘土Aとメタカオリンを様々な質量比で混合して使用されました。例えば、カオリン粘土Aの単体では15.6%(無機84.5%、生物15.5%)であり、メタカオリンの混合比率を上げることで含有率が調整されています。 北九州浚渫土:非晶質シリカ含有率が**19.8%**です(無機64.8%、生物35.2%)。これは実際の浚渫土として使用されました。
また、本研究の背景として、既往研究では浚渫土の非晶質シリカ含有率が高いものは、間隙水中の溶存シリカ量が多く、製鋼スラグ混合後のせん断強度が大きかった、という結果も得られています。
このように、非晶質シリカ含有率の影響を調べるために、メタカオリンや川崎粘土のような高い含有率を持つ土、またはカオリン粘土とメタカオリンを混合して含有率を調整した土が用いられています。特に、有機物をほとんど含まない粘性土(カオリン粘土とメタカオリン)が選定され、有機物による固化阻害の影響を排除した上で、非晶質シリカ含有率の影響が分析されました。