満管状態の鉛直排水管を流れ落ちる流体の定式化
鉛直な管路で、内部を流体が満たしている場合なら、全て鉛直排水管として考えられる 動画では雨樋の排水管を挙げているが、あれは管路全てを流体で満たせるわけではないから、対象外だと思うtakker.icon 近似すれば使えるのか?
モデルの定義
https://kakeru.app/2f26b5dff9d06f7c57cdce74d18f3fd0 https://i.kakeru.app/2f26b5dff9d06f7c57cdce74d18f3fd0.svg
立式
保存則
$ \frac12\rho v_0^2+\rho gz_0+p_0=\frac12\rho v_1^2+\rho gz_1+p_1=\frac12\rho v_2^2+\rho gz_2+p_2
$ A_0v_0=A_1v_1=A_2v_2
境界条件とか
$ p_0=p_2=0
大気圧と等しい
$ A_0\gg A_1\land A_0\gg A_2
$ z_0=h+l
$ z_1=l
$ z_2=0
展開
面積の近似式と連続式より、速度比の近似式を求める
$ \frac{v_0}{v_1}=\frac{A_1}{A_0}\approx0
エネルギー収支の式に$ zと$ pを代入する
$ \frac12\rho v_0^2+\rho g(h+l)+0=\frac12\rho v_1^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2+0+0
$ \iff\frac12\rho \left(\frac{v_0}{v_1}\right)^2{v_1}^2+\rho g(h+l)=\frac12\rho v_1^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2
$ \implies\rho g(h+l)\approx\frac12\rho v_1^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2
$ \iff\begin{dcases}\rho gh\approx\frac12\rho v_1^2+p_1\\\frac12\rho v_1^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2\end{dcases}
$ \iff\begin{dcases} v_2^2\approx2g(h+l)\\\left(\frac{A_2}{A_1}\right)^2\frac12\rho v_2^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2\end{dcases}
話が見えたtakker.icon
これ地点0の情報は関係ない。
$ \frac12\rho v_1^2+\rho gl+p_1=\frac12\rho v_2^2が鉛直排水管の全てだ
ふつうなら静圧$ \rho gl+p_1が動圧に変換され$ v_1<v_2となる
しかし今は「管路を満流」しているので、連続式より両速度に制限がつく 変換しきれない分の位置energy$ \rho glの行き場所はどこか?
圧力energy$ p_1を負にして吸収するしかない!
排水管の強度がよわよわだと、負圧で管が潰れてしまう
強度向上以外でこれを回避するには、$ p_1>0を満たす縮小管を使うしかない $ \left(\frac{A_2}{A_1}\right)^2\frac12\rho v_2^2+\rho gl<\frac12\rho v_2^2
$ \iff \frac12\frac{v_2^2}{g}\left(1-\left(\frac{A_2}{A_1}\right)^2\right)>l
拡大管及び直管だと必ず負圧になる
縮小管$ A_2<A_1なら、$ lのスケール次第では負圧にならずに済む
流出速度を速くすることでも回避できる
$ p_1が大気圧x-1になると真空となり、満管状態で流体を流せなくなる 地点2が完全に大気に開放されている場合は、空気が入ってくる?
仲吉信人先生は知らないとのこと
guage圧が0になったということは、そこで空気と接触するということ
直感的解釈はこんな感じか?takker.icon
流体粒子は重力でどんどん加速する
しかし後ろから入ってくる流量が一定なので、後ろは前の流体についていけなくなる
結果、粒子間の間に引張応力が働き、それが負圧として現れる?
前の粒子が後ろの遅い粒子に引っ張られているイメージ
管路内の任意の高さ$ zでの静圧と動圧を求める
地点2を$ z=0として、上向きに軸をとる
保存則
$ \frac12\rho v_2^2=\frac12\rho {v(z)}^2+\rho gz+p(z)
$ A_2v_2=A(z)v(z)
動圧は$ \frac12\rho {v(z)}^2=\frac12\rho\left(\frac{A_2}{A(z)}\right)^2v_2^2となる
圧力は$ p(z)=\frac12\rho\left(1-\left(\frac{A_2}{A(z)}\right)^2\right)v_2^2-\rho gz
管路が直管だとすると、
$ K=\frac12\rho{v_2}^2
$ P=-\rho gz<0
出口(地点2)以外で常に負圧
となる
地点1で圧力が不連続になる
粘性も考慮すると、滑らかなグラフとなる
地点1の管形を滑らかにすることでも不連続点を回避できそうtakker.icon