PE-2023F
table:basic information
Schedule 2023年度前期 金曜4限
Course credits 2
Course code 9976659
K504
Descriptions
(概要)今日の港湾は、船舶が離発着する単なる交通ターミナルではなく、コンテナ、バルクやクルーズなどの国際的な物流や人流、交易の窓口であり、重厚長大型工場の生産拠点、火力発電や石油備蓄基地等のエネルギー拠点でもある。 さらに都市住民の貴重な水辺空間、都市廃棄物の処分空間として都市活動になくてはならない存在となっている。
港湾の整備に当たっては、このような幅広い要請に対処するとともに、世界的な海上輸送の動向、近隣諸国との港間競争、さらには海域環境等にも配慮しなければならない。
その他、近年は、以下のような課題に直面しており、様々な対応を求められている。
①2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、東北地方における太平洋側の港湾が甚大な被害を受けた。
今後、発生が想定される南海トラフ地震に備えて、西日本沿岸部の港湾に対して如何に津波や地震から防護するか大きな課題である。
②近年の気候変動によると考えられる台風の巨大化や海水位の上昇によって引き起こされる高潮や高波による沿岸部の被災が国内外で生じている。
③2012年12月に中央高速道路で起きた笹子トンネル天井版崩落事故に代表されるように、これまで建設してきた港湾施設の老朽化対策が急務である。 ④IT技術の進展によって、それを用いた港湾の利用状況や経済効果の整理 分析による新たな港湾計画や性能設計体系のあり方、併せて、質の高いインフラシステム輸出時代における港湾分野の国際協力のあり方も考えていく必要がある。
このため、輸出入貨物の99. 6%が経由する国際サプライチェーンの拠点となっており、また、CO2 排出量の約6割を占める発電所、鉄鋼、化学工業等の多くが立地する臨海部産業の拠点、エネルギーの一大消費拠点でもある港湾においては、脱炭素エネルギーである水素や燃料アンモニア等の輸入拠点となるとともに、これらの活用等によるCO2 削減の余地も大きい地域であり、2019年から開始した一般海域における洋上風力発電の整備とともに、当面は2030年度を目標に脱炭素化に向けた先導的な取組を集中的に行う必要がある。
Objectives
港湾工学の学ぶためには、港湾に関連する基礎及び応用知識を備える必要がある。
そこで、国内外の経済社会情勢と港湾活動との関係について理解を深め、また港湾の整備に必要な計画、設計、施工の基礎知識や、さらに政策課題である国内外のコンテナやバルク物流、クルーズ人流、産業立地、カーボンニュートラル対策、環境対策、津波、高潮等の沿岸防災、既存ストックの維持管理について習得することを目的とする。
さらに講義では、レポート作成、パネルディスカッション、さらには講師が国土交通省等で実体験した業務紹介などを通じて理解を促進 深化させる。
Outcomes
本講義は土木工学科における学習 教育目標のうち、評価の対象とする目標として、「目標(C)土木工学の実務的な課題を理解し、それを解決するのに必要な知識を獲得できるようになる。
」に関連する。
具体的な目標としては、
①多面的な知識を説明できる。
港湾の持つ交通機能、生産機能、都市生活機能、新たな展開機能 防波堤、岸壁の他に道路、橋梁、鉄道、緑地など多種多様な施設
ないのはダムくらい
②自然と対峙するための計画 設計思想を持ち備えることができる。
港湾施設に及ぼす高波、高潮、津波、大水深、軟弱地盤、液状化、海面上昇 脱炭素化、環境保全、水産業との共生
③時代や社会の流れを感受できる。
港湾を巡る内外の動き 各種政策
時代の影響をすぐ受ける
e.g.
新しい船への対応
ゼロにするためにどうすればいいか
昨年から始まっている
再生エネルギーに替える
太陽光は置く場所がない
風力発電所を作るために、港から船を出して資材を運搬する必要がある
台風
港の中が無茶苦茶になる
Course notes prerequisites
非同期による講義内容は、何度でも視聴して理解度を深める努力が必要である。
また、それを論理的に体系的にまとめる文書作成能力の鍛錬が必要である。
Preparation and review
最新の情報に基づいて講義するため、視聴 配布された資料を基に新聞やテレビ等の情報との関連について自分なりの確認を行うこと。
その中で感じたことや疑問点について、レポートやメール等で質問することが望ましい。
Evaluation
レポート(3題)
レポート(1)20点
レポート(2)40点
レポート(3)40点
100満点
(フィードバックの方法)
レポート(3題)については、提出以降の講義において優秀な内容、共通する事項、質問事項等について、講師が指名した数名の学生によるプレゼンテーション、及び講師とのパネルディスカッションを通じて、より理解を深める。
質問事項等については、メールでのやり取りも行う。
Plan
第1回目(対面講義):港湾工学の概要:
土木学、港湾工学のアウトライン、わが国の港湾の位置づけ、港湾の分類などについて理解する。
機能
第2回目,第3回目(非同期):交通機能:
第4回目(対面講義):港湾の現状や歴史を工学的視点から自ら確認するため横浜港を見学する。 第5回目(非同期):産業機能:
第6回目(非同期):都市生活機能及び環境対策:
第7回目(非同期):港湾計画:
港湾計画の流れ、計画内容、施設計画等について理解する。 第8回目(対面講義):討論会(1):
第1回目から第6回目に関わる提出レポートに基づいてパネルディスカッションを実施し理解を深める。
設計と施工
性能設計体系、海象及び地盤条件、並びに外郭及び係留施設の設計について理解する。 津波、高潮 高波、地震及び海岸保全に対する防災について理解する。 第13回目(非同期):港湾施設の施工 維持管理:
防波堤や岸壁の工事、泊地浚渫、埋め立て工事、地盤改良などについて理解する。 第14回目(非同期):
防波堤や岸壁などの維持管理や利用実態 分析について理解する。
第15回目(対面講義):討論会(2):
第9回目から第12回目に関わる提出レポートに基づいてパネルディスカッションを実施し理解を深め、さらに今後の港湾技術者像を共有する。
上記以外に、非同期講義においては、トピックとして講師が国土交通省等の勤務時に実体験した、講義に関連する具体的な内容をPPT動画で参考説明。