2種類の流体を用いたpitot管
装置の小型化
普通のPitot管だと、例えば対気速度を測るとき非常に大きな管を使わないといけない 圧力水頭差$ \Delta h=\frac12\frac{|v_{in}|^2}{g}が数メートルにもなってしまう
このPitot管なら、管内流体の密度$ \rho'を調整することで圧力水頭差を適切なスケールに収められる
$ \Delta h=\frac{\rho}{\rho'-\rho}\frac12\frac{|v_{in}|^2}{g}
$ \rho'\gg\rhoのとき$ \frac{\rho}{\rho'-\rho}\approx\frac{\rho}{\rho'}だから、圧力水頭差が数メートルになってしまう環境では、対象の流体より比重が100倍の流体を封液に使えば、水頭差を数センチに抑えることができる 流速があるときはいいだろうけど
漏出しそうなケース
停泊したときに漏れたりしないのか?
僅かだが水に溶ける?
過剰に圧力がかかった場合
$ \Delta hが大きくなりすぎて、左の液面が静圧測定孔からはみ出してしまう 密閉しないとアウトでは?
実務で本当に水銀を使っているかまではわからないっぽい
それ以前に、別のデジタルな圧力計で測って、封液を用いないケースもあるそうな
そっちが主流なのかなあ?
差圧計の例だが、逆流防止装置が取り付けられている装置もあるようだ M1223シリーズ
ドワイヤー社(Dwyer)U字管マノメータの高級機種で、裏面に磁石が取り付けられたほか、過剰圧力が加わった場合の封液流出を防ぐ逆流防止機構を備えています。携帯用としてもご利用いただけます。 計算方法
https://kakeru.app/fb740c9f4e623ef47a14ec679a8f68ea https://i.kakeru.app/fb740c9f4e623ef47a14ec679a8f68ea.svg
例によって、1と2を通る流線で水頭収支を考える
$ \frac12\frac{{v_1}^2}{g}+z_1+h_{p1}=\frac12\frac{{v_2}^2}{g}+z_2+h_{p2} (Bernoulliの定理)
$ v_1=0 $ \becauseよどみ点
$ h_{p1}+h+\Delta h=\frac{\rho'}{\rho}\Delta h+h_{p2}+h
($ \underbrace{\rho gh_{p1}}_{基準点での圧力}+\underbrace{\rho g(h+\Delta h)}_{基準点から左の水面までの圧力}=\underbrace{\rho gh_{p2}}_{基準点での圧力}+\underbrace{\rho gh}_{基準点から右の水面までの圧力}+\underbrace{\rho'g\Delta h}_{封液による圧力})
管内は流体静力学で捉えて問題ない
$ z_1=z_2
これらを組む
$ \implies 0+\frac{\rho'-\rho}{\rho}\Delta h=\frac12\frac{{v_2}^2}{g}+0+0
$ \underline{\iff |v_2|=\sqrt{2g\Delta h\frac{\rho'-\rho}{\rho}}\quad}_\blacksquare