ヘッセ行列
Hessian Matrix、ヘッシアン
多変数のスカラー値関数が任意の2つの変数の組み合わせに対して2階偏微分可能である場合には、2階偏微分係数を成分とする行列が定義可能である。これをヘッセ行列とよぶ。
スカラー値関数$ y=f(x_{1},x_2, \ldots , x_{n})が点$ a = (\bar{x}_1, \bar{x}_2, \ldots , \bar{x}_n)において、 任意に選んだ2つの変数$ x_k ,x_lに関する2階偏微分導関数値
$ f''_{x_{l}x_{k}}(a) = \frac{\partial^2 f(a)}{\partial x_k \partial x_l}
が存在する場合には、これを$ k行$ l列成分とする行列
$ \left[\begin{array}{ccc}f''_{x_1x_1}(a)&\cdots&f''_{x_1x_n}(a)\\\vdots&\ddots&\vdots\\ f''_{x_nx_1}(a) &\cdots&f''_{x_nx_n}(a) \end{array}\right]
が存在し、これを関数$ fの点$ aにおけるヘッセ行列$ H_f(a), \nabla^2 f(a)という。
ヘッセ行列は正方行列、対称行列である。
ヘッセ行列の固有値の符号によって停留点が極大値、極小値、鞍点であるかが判別できる。(極値判定)