詩作
詩作
第一章の一番冒頭に出てくる「詩作」という言葉の注釈がいきなり凄くて圧倒される https://gyazo.com/d70115ab1a14f9e7e895339e88fd9621
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poiētikē の訳。この語はテクネー・ポイエーティケー technēpoiētikē (cf.arspoetica = theartofpoetry)の、テクネー technē を省略した形で、詩作の技術、詩的技法を意味するが、ここではポイエーシス poiēsis (詩作)とほとんど同じ意味で用いられる。 poiētikē と poiēsis は、その関連語 poiēma (作品、詩)、 poiētēs (作者、詩人)と同じく、「作ること」を意味する語幹から生まれ、とりわけ詩(韻文)を作ること(詩作)を意味するようになった語であるが、「詩を作る」ということ自体すでに技術を前提としている(しっかりした靴や家などをつねに作るには技術を必要とするように、すぐれた詩をつねに作ることを望むなら、勘と経験だけではなく技術が必要である)。 このような技術 technē は理論または理論的裏づけを含意する。アリストテレスの狙いも、詩(文学、フィクション)とは何であるか、その目的(機能)はどのようなものか、どのようにしてその目的をもっともよく達成することができるかについて主に理論的立場から論じることにある。 アリストテレースは冒頭で詩作と詩作の種類(複数)について論じるつもりであるというけれども、実際に『詩学』(現存の部分)において考察の対象に取りあげるのは、悲劇(劇詩)である。 叙事詩については、その構成要素は一部を除き悲劇のそれと同じであるとされ(五章1449b18-20、二四章1459b9f.)、主として二三章以下で悲劇との関連において論じられる。 叙事詩自体が考察の対象とされているのではないことは、例えば叙事詩の定義が見られないことからも明らかである。
アリストテレースは、もっともすぐれた再現(ミメーシス)の形式とみなされる悲劇(ドラマ)について論じることは、すなわち詩作全体について論じることになると考えているようである。 第二巻では(悲劇との関連において)喜劇について論じられたと推測されるが、この部分は散逸したため詳細は不明である。
この勢いで一つ一つの語が解説されるのだとするとちょっとオーって感じ
という段階で、光文社古典新訳文庫にもアリストテレス『詩学』があるのを発見して即座に購入した。空から降ってくる。