時間の矢の概念
時間の矢の概念
「これは熱力学の第二法則に違反する可能性についての一連の論文の一つです。その法則は過去から未来への時間に一方向性をもたらす時間の矢の概念に密接に関連しています。」
だが、現実の世界は異なる。時間と共に進むことと、時間を逆行することは、さまざまな面で異なっている。 特に問題となるのは、システムのエントロピー(非常に大まかに言えば、無秩序の尺度)が時間の進行に伴って増大することだ。これは、物理学と常識的知識における法則である。
時間を巻き戻すと何が起こるかについては、面白くも悲しいマーティン・エイミスの著作『Time’s Arrow(邦訳は『時の矢―あるいは罪の性質』)』 などを参照されたい。
さらに、時間旅行の物理的な草の根に分け入りたい方はこちらへ。
ビデオの巻き戻し機能を思い出してみよう。これはある意味「時間の流れの巻き戻し」だ。 ティーポットから出た湯気がポットに逆流したり、粉々になったハンプティ・ダンプティのかけらが自然に元通りになったりといった面白い映像が見られたりするので、初めて見る人にとっては面白い。これは「時の矢の巻き戻し」のように見える。件の論文は、このようなビデオの巻き戻しで見られる現象について、量子コンピューターの文脈で記述しているにすぎない。