時の矢
時の矢
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私は暗黒の眠りから抜け出る。意識が回復すると、深い孤独感に包まれた。私はなんど自問したことだろう。世界はいったいいつから意味をもちはじめたのか?私は家のほうへ後ろ向きにあるいている。鳥たちが奇妙に鳴く。私はどこへ向かっているのか?私には私たちが嵌め込まれているこの世界がよくわからない。世界はフィルムが逆さまに回っているように見える。あらゆるものに見覚えがあるのに、まったく勝手がわからない。時は避けがたく過去を放射する。街や森を駆け抜ける車のフロントガラスに映る風景のように。英文壇の異端児が放ち、驚愕をもって迎えられた世界初の〈逆語り小説〉