昔話、民話、神話
カルヴィーノ アメリカ講義-新たな千年紀のための六つのメモ 第一章「軽さ」 まず口承文学があります。民話では、別世界へ飛んでゆくことはきわめて頻繁に見られる状況です。プロップが『昔話の形態学』のなかで列挙した「機能」のなかでは、こんなふうに定義される「主人公の移動」の形式の一つなのです。「 1960年代にクロード・レヴィ=ストロースによる神話の分析(構造解析)が注目を集め、それと共に再発見されたのがウラジミール・プロップによる『昔話の形態学』(1928)である。プロップはこの中で、ロシアの魔法昔話に現れる「物語機能」(今でいうところのモチーフに相当するもの)は31個であり、物語の中でほぼ一定の順番で現れることを示した。つまり、バリエーションによる差異はあるものの、ロシアで伝えられていた魔法昔話はすべて同一構造(同一プロット)を有するとプロップは唱えたのである。この発見は、構造主義の流行の中で民話学の枠を超えた影響を及ぼし、多種多様な作品群も物語構造に注目すれば似たようなものであるという認識をもたらした。 https://ja.wikipedia.org/wiki/物語の類型