日常的実践のポイエティーク
日常的実践のポイエティーク
読むこと、歩行、言い回し、職場での隠れ作業…。それらは押しつけられた秩序を相手取って狡智をめぐらし、従いながらも「なんとかやっていく」無名の者の技芸である。好機を捉え、ブリコラージュする、弱者の戦術なのだ―。科学的・合理的な近代の知の領域から追放され、見落とされた日常的実践とはどんなものか。フーコー、ブルデューをはじめ人文社会諸科学を横断しつつ、狂人、潜在意識、迷信といった「他なるもの」として一瞬姿を現すその痕跡を、科学的に解釈するのとは別のやり方で示そうとする。近代以降の知のあり方を見直す、それ自体実践的なテクスト。 https://gyazo.com/edaf3c208b33daab0c88e2c2f8b45a1b
目次
概説
I ごく普通の文化
第1章 ある共通の場/日常言語
第2章 民衆文化
第3章 なんとかやっていくこと/使用法と戦術
II 技芸の理論
第4章 フーコーとブルデュー
第5章 理論の技
第6章 物語の時間
III 空間の実践
第7章 都市を歩く
第8章 鉄路の航海あるいは監禁の場
第9章 空間の物語
IV 言語の使用
第10章 書のエコノミー
第11章 声の引用
第12章 読むこと/ある密猟
V 信じかた
第13章 信じること/信じさせること
第14章 名づけえぬもの
決定不能なもの
解説(今村仁司)
訳者あとがき
文庫版解説 日常的実践という大海の浜辺を歩く者(渡辺優)