地図ができあがれば現実が立ち上がり領土が生み出される
地図ができあがれば現実が立ち上がり領土が生み出される
父子は双子の到来を願いながら、自分たちと彼らのあいだに広がる土地の地図を、部屋の壁いっぱいに描く。双子はまさにその地図に従ってやってくる。そして建物のそばまで到達すると、今度は双子が建物周辺の地図を自分たちで描き、それを手掛かりに内部に踏み込む。先に現実があって地図があるのではない。地図ができあがれば、そのとおりに現実が立ち上がり、領土が生み出されるという魔法のような事態を、父子と双子が共有するのだ。