地図ができあがれば現実が立ち上がり領土が生み出される
from 地図、領土、世界
地図ができあがれば現実が立ち上がり領土が生み出される
現実があって地図があるのではない。地図ができあがれば、そのとおりに現実が立ち上がり、領土が生み出される https://taizooo.tumblr.com/post/675144242758369280
『双子は驢馬に跨がって』(河出書房新社) - 著者:金子 薫 - 野崎 歓による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
父子は双子の到来を願いながら、自分たちと彼らのあいだに広がる土地の地図を、部屋の壁いっぱいに描く。双子はまさにその地図に従ってやってくる。そして建物のそばまで到達すると、今度は双子が建物周辺の地図を自分たちで描き、それを手掛かりに内部に踏み込む。先に現実があって地図があるのではない。地図ができあがれば、そのとおりに現実が立ち上がり、領土が生み出されるという魔法のような事態を、父子と双子が共有するのだ。
言葉が先にあって、事実があとから都合よく形作られていく