入門!論理学
入門!論理学
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論理の本質に迫る、論理学という大河の最初の一滴を探る冒険の旅! あくまでも日常の言葉を素材にして、ユーモアあふれる軽快な文章で説き明かされていく。楽しみ、笑いながらも、著者とともに考えていく知的興奮。やがて、「考え、話し、書く」という実際の生活に生きている論理の仕組みが見えてくる。論理学ってなんだかむずかしそう、と思っているあなたにこそ、ぜひ読んでほしい「目からうろこ」の入門書。
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目次
はじめに
第1章 あなたは「論理的」 ですか?
「論理的」って、どういう意味だろう?
論理は非常識か?
論理学が扱う推論とはどういうものか
論証と導出を区別しよう
ちょっと論理力をテストしてみましょう
論理学って何のためにあるのだろう
論理のことばたち
第2章 「否定」というのは、実はとてもむずかし
ひとはどういうときに否定するのだろう
私はあなたのことが好きではない
肯定するか、否定するか、どっちかしかない?
勇気と盲腸の違い
矛盾の形
二回否定すると肯定になるのか?
背理は否定される
否定の論理
第3章「かつ」と「または」
論理と接続詞
「かつ」 の入れ方・はずし方
「かつ」の仲間たち
ひとが「または」と言うとき
こうすれば 「または」は取れる
「かつ」と「または」を否定すれば
ド・モルガンの法則を導いてみる
第4章
「ならば」の構造
「ならば」で困った
「ならば」のはずし方
導入則をどうしよう
「ならば」の否定
対偶をとる
「ならば」の連鎖
第5章 命題論理のやり方
私たちはいまどのあたりにいるのか
証明するとはどういうことか
論理命題と推論規則
証明も、けっこう楽しい
ほしい論理法則・ほしくない論理法則
二つのアプローチ
「健全」で「完全」な公理系
いろいろな公理系が作れる
遠くにゲーデルの不完全性定理が見える
第6章 「すべて」と「存在する」の推論
この推論はどう扱おう
全称と存在
全称と存在のド・モルガンの法則
世界に三匹のブタしかいなかったら
「すべての男はバカである」の論理構造
「バカな男がいる」の論理構造
「すべて」と「存在する」を組み合わせる
述語論理の公理系
論理学のやり方
おわりに
Amazon のレビューより
はじめて読んだ論理学の本です
現代の論理学は記号をたくさん用いるので記号論理学とも言われます。 著者の野矢さんは自然言語のひとつである日本語で説明されてます。 特徴は記号をほとんど用いてないのと否定を詳しく取り扱ってるのと 推論が正しいのか正しくないのか調べる方法に自然演繹のみ紹介していることです。 論理学の形式言語を自然言語で説明するのは普通ですが 形式言語を自然言語で表現してそれを自然言語を用いて説明されてるのは ある種、一般的な論理学の入門書より難しい内容とも言えますね。
日常言語から論理学が離陸する瞬間
野矢氏だからこその快著。「〜でない」「かつ」「または」「ならば」というたった4つの接続詞から、命題論理学がいかに生まれるか、その“離陸の瞬間”が丁寧に鮮やかに解説される。
読者は、「そうか、論理学ってこういうことだったんだ!」と、その“本質”に触れる喜びを味わえる。
本書の特徴は、いわゆる自然演繹法を、日常言語から論理学を立ち上げる平易な説明として用いたことにある。4つの接続詞の意味を考えるために、我々はどういう場合にその接続詞を使いたくなるか(=導入則)、そして、我々はどういう主張をその接続詞からさらに導くのか(=除去則)、という二点のみから考察する(p91)。 それに対して通常の論理学の教科書では、4つの接続詞の意味を「真理表」によって定義する。つまり、その接続詞で繋がれた各命題の真偽に応じて、全体の真偽がどうなるかを示し、その真偽の対応表が“その接続詞の意味なのだ”と説明される。しかし、我々はそのようにして「〜でない」「かつ」「または」「ならば」の意味を学んだのではないから、日常言語と論理学の分岐点が分からなくなる。
そうではなく、離陸の地点を示すことで、逆に地上に積み残したものも分かる。その接点が排中律である。 たしかに、このやり方にも一長一短がある。第5章での証明は必ずしも分かりやすくはないし、「ならば」と「否定」のみからなる公理系の提示など(p182)、縦書きの文章の中に難しい話がさりげなく書き込まれてもいる。とはいえ、読者を論理学へとぐいぐい引き込む本書の魅力が、そうした短所を帳消しにする。
本名は植村恒(つね)一郎、哲学屋です。群馬県立女子大学名誉教授、日本時間学会理事、著書に『時間の本性』(勁草書房、2003年和辻哲郎文化賞受賞)、翻訳にカント『視霊者の夢』(岩波版全集3)、バークリー『視覚新論』(勁草書房)など。アマゾンレヴュー以外にも、私のブログ「charisの美学日誌」に、小林よしのり『靖国論』、内田樹『9条どうでしょう』、上野千鶴子『女ぎらい』等の重要書の本格レヴューがあります。座右の銘は「ミューズよ、戦さ(いくさ)を退け、友なる我らと踊れよかし!」(アリストファネス『平和』)。憲法第9条を守ろう!