二つの自由概念
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p295 ~ p390
この就任講演は1958年10月31日にオックスフォード大学で行われ、同年クラレンドン・プレスから刊行された。
目次
(序)
注) 借りに(序)とする。この節には「見出し」がない
1
注) 間違いではなく、この節は単独で「1」と表記
二つの自由についてのイントロダクション
自由という言葉(わたくしは "freedom" も "liberty" も同じ意味で用いる)の政治的な意味の第一は —— わたくしはこれを「消極的」 "negative" な意味と名づけるのだが —— 、次のような問いに対する答えのなかに含まれているものである。その問いとはつまり「主体 —— 一個人あるいは個人の集団 —— が、いかなる他人からの干渉もうけずに、自分のしたいことをし、自分のありたいものであることを放任されている、あるいは放任されているべき範囲はどのようなものであるか」
第二の意味 —— これをわたくしは「積極的」 "positive" な意味と名づける —— は、次のような問い、つまり「あるひとがあれよりもこれをすること、あれよりもこれであること、を決定できる統制ないし干渉の根拠はなんであるか、まただれであるか」という問いの答えのなかに含まれている。
この二つの問いは、それへの解答は重複することがあるにしても、それぞれ明らかに区別される違った問いなのである。
注) 間違いではなく、この節は番号なしで "「消極的」自由の観念" と書かれている
3 内なる砦への退却
4 自己実現
5 サラストロの神殿
注) 「サラストロの神殿」は歌劇『魔笛』から
6 地位の追求
7 自由と主権
8 一と多
「価値の多元論」について