ブルースを知らなかったからだ
ブルースを知らなかったからだ
二〇〇四年十一月十一日で、八十二歳になった
ていう章を読んでいたのだが、そこには人間のあらゆる営為の中で音楽だけが素晴らしい、的なことが書かれていて感銘を受けたばかりだったのだが、まさに!
アメリカに奴隷制度が残っていた時代、奴隷所有者の自殺率は奴隷の自殺率よりも遥かに高かった、なぜなら奴隷所有者は絶望への処方箋(=ブルース)を知らなかったからだ
みたいなセンテンスにファクトは知らんが感銘を受けていた。
前世紀アメリカ南部の奴隷の苦しみは常識であるが、あまり一般的に知られていないのは、それらの奴隷の間の自殺率である。奴隷はどのように彼らが受けることを余儀なくされた苦しみに対応したのでしょうか?いくつかの奴隷が自殺を選択したが、率は驚くほど低いようです。このことは、アフリカや世界の他の地域に住むアフリカ系の人々の自殺率と一致しており、自殺率の低さはアフリカ文化の要素であるという説をさらに裏付けるものである。アフリカ系アメリカ人奴隷の圧倒的多数は、抵抗、外面的なコンプライアンス、精神性など、様々な手段を用いて自分の苦しみに対処することを選択した。奴隷が自殺に頼ったとき、それは明らかに彼らの状況や満たされていない期待の悪化への応答にしばしばあった。奴隷がイデオロギーレベルで彼らの苦しみに対処するための対話を開発したとき、彼らは頻繁に宗教的なチャネルを介してそうしました。
アルバート・マリといういい作家がいる。ジャズ史に詳しい、わたしの親しい友人だ。彼からこんなことを聞いたことがある。アメリカの奴隷時代ーーわれわれは当時の残虐な行為から完全に解放されることは不可能だろうーー、奴隷所有者の自殺率は、奴隷の自殺率をはるかに超えていたらしい。 マリによれば、その理由は、奴隷たちが絶望の対処法を知っていたからということだ。白人の奴隷所有者たちにはそれがなかった。奴隷たちは自殺という疫病神を、ブルースを演奏したり歌ったりして追い払っていたのだ。マリはほかにも、なるほどと思うようなことを言った。ブルースは絶望を家の外に追い出すことはできないが、演奏すれば、その部屋の隅に追いやることはできる。どうか、よく覚えておいてほしい。
アメリカの奴隷時代奴隷所有者の自殺率は奴隷の自殺率をはるかに超えていた
奴隷たちが絶望の対処法を知っていたが奴隷所有者たちにはそれがなかった
自殺という疫病神をブルースで追い払っていたのだ
ブルースは絶望を家の外に追い出すことはできないが部屋の隅に追いやることはできる
ブルース、スティール・ギター