ハンブルク時代の俺たちはベサメ・ムーチョを演奏する硬派なバンドだったんだ
ハンブルク時代の俺たちはベサメ・ムーチョを演奏する硬派なバンドだったんだ
ビートルズは『ラバー・ソール』から『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』までの中期ばかり聴いていたと思い、1stから5thを改めて聴き直している。ポールが「ハンブルク時代の俺たちはベサメ・ムーチョを演奏する硬派なバンドだったんだ(すっかり軟派なバンドになってしまったと思われたくなかった)」と言っていたが、「P.S. I Love You」だとか「Taste Of Honey」(カバーだが)を聴いているとクリフ・リチャード&ザ・シャドウズから地続きの音楽であり、スキッフルとロックンロールとカントリーがゴチャ混ぜになった(そもそもスキッフル自体がゴチャ混ぜだが)音楽をやっていたのだなという流れが理解できる。ようやく理解できた。高校生の頃の自分にはそこまではわからず、ただただ音質の悪いロックだとしか思えなかったのだ。 菊地成孔が古典の話をしていた。そのうちの一つがビートルズを聴くことだった