ドストエフスキーの詩学
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2019/11/12
オープンダイアローグの開発に際して、セイックラは思想家バフチンの視点を大々的に導入した。バフチンのポリフォニー論の中核にあるのは、独自の他者論である。 私と他者との間には決定的な断絶があり、他者には他者だけの固有の視点、固有の主観があるとされる。だからこそ対話が可能となる、とバフチンは考える。 このとき対話とは、他者の他者性、すなわち「私」との異質性を尊重し、歓迎することに終始する。「違い」を無理に同一化や調和として収束させず、多声的な「違い」の並立を尊重すること。この姿勢が対話に余白をもたらし、その余白において主体的な変化が生ずる。 「会話」がシンフォニーを志向するなら、「対話」はポリフォニーを重視するのである。
「会話」がシンフォニーを志向するなら、「対話」はポリフォニーを重視するのである