コルナイ・ヤーノシュ
コルナイ・ヤーノシュ
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コルナイ・ヤーノシュ(ハンガリー語: Kornai Janos、1928年1月21日 - 2021年10月18日)は、ハンガリーの経済学者。計画経済体制を分析し、その構造的欠陥を解明したことで知られる。ハーバード大学、およびコルヴィヌス大学名誉教授。
ハンガリーの偉大な経済学者コルナイ・ヤーノシュが,2021年10月に死去した.不足の分析,社会主義経済,市場経済への体制移行の経済学分析を開拓した研究者だった.本コラムでは,コルナイが20世紀屈指の重要な知識人となった概略を述べる.
著名なハンガリーの経済学者コルナイ・ヤーノシュが亡くなった.コルナイは,20世紀屈指の重要な知識人だった.ナチズムと共産主義という20世紀の2大全体主義体制の双方で,コルナイは苦難を味わった.ブダペストで若いユダヤ人として育つなかで,彼は父親と兄弟の1人をナチのために失った.ホロコーストを生き延びた中欧の若いユダヤ人たちの多くがそうだったように,彼もまた,ナチズムの大敵である共産主義を2年ほど熱烈に支持した時期があった.わずか数年のにちにコルナイは共産主義に幻滅する.とくに,1950年代序盤のハンガリーにおけるスターリニストの粛正について知ったことが大きかった.コルナイは,その頃にジャーナリストになっていた.
1980年にコルナイの大著『不足の経済学』が世に出た.計画運営の経済学に関するコルナイのそれまでの研究は,大半が理論的なものだった(現実の計画立案・運営のあり方からそうした文献の内容はものすごくかけ離れていた).一方,同書は社会主義経済が実際にどういう仕組みで動いているかを系統的かつ力強く分析した内容だった.柔らかな予算制約(社会主義経済の国有企業は損失を出していても決して倒産しない)という概念から出発して,ここからどのようにして企業による需要引き上げにつながり,それにともなって価格のバリエーションに企業がかろうじて反応するようになるのかをコルナイは説明した.そうやって需要が引き上げられると,全般的な不足にいたり,これが企業経営陣・消費者・計画担当者の行動に深く影響を及ぼす.
キューバの話は書きかけがいくつかあるんだけれど、なんとなくまとめるところでモチベーションが落ちて放置してある。一つの理由は、コルナイ・ヤーノシュ『不足の政治経済学』を読んだら、ぼくが考えていたような話がすでにかなりきちんと考察されていて、ちょっと今さらかなあと思ってしまったことがある。コルナイ・ヤーノシュ、おもしろいから読んでねー。
コルナイ・ヤーノシュ、俄然興味が湧いてきた