カント哲学の核心
注1
参考書籍として岩波文庫『プロレゴメナ』を使用しているので、このページではこちらを使用する 注2
目次は『プロレゴメナ』の節番号(セクション番号 §)と関連している
『プロレゴメナ』には全てで60の節と、付録がある
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目次
はじめに
『プロレゴメナ』刊行の背景
本書のねらい
批判哲学の今日的意義
凡例
第1章 「序文」からカントの自負を読む
1-1 哲学することにおける「生徒」と教師
哲学における教師と生徒の違い
哲学の世界概念
1-2 形而上学という問題
形而上学はどんな学問か
形而上学に対するカントの「問い」
1-3 デイヴィッド・ヒュームの衝撃
ヒュームの警告
「独断的なまどろみ」が破られた
カントが採用した「まったく別の方向」
悟性と理性
演繹という問題
『純粋理性批判』と『プロレゴメナ』との関係
「常識」の哲学とカント
第2章 「緒言」からカントの問い方を読む
『プロレゴメナ』校訂の問題
2-1 形而上学の諸源泉 (§1)
認識とは何か
2-2 それだけが形而上学と呼ばれることのできる認識の仕方について (§2, §3)
分析的判断と総合的判断との区別
分析的判断は矛盾律に基づく
ア・プリオリな総合的判断
形而上学的認識はア・プリオリな総合的判断を含むはずである
2-3 形而上学の可能性を問うとはどういうことか (§4, §5)
独断論と懐疑論
形而上学への問い
形而上学の可能性に向けられた問い
「超越論的「と「超越論哲学」
『プロレゴメナ』の4つの問い
第3章 「数学」がどうして可能なのかを問うてみる
感性論は論理学の外部
3-1 数学的認識からの出発 (§6, §7)
認識根拠と存在根拠
数学的認識と哲学的認識
直感的と論弁的
3-2 ア・プリオリな直感への問い (§8, §9)
物それ自体という問題
形式と内容との区別
3-3 感性の形式と数学の可能性 (§10 ~ §13)
純粋直観としての空間と時間
空間と時間を哲学する
純粋数学は純粋直観によって可能になる
空間と時間は物それ自体に付着する規定ではない
空間と時間の超越論的救命
不一致対象物を考えてみよう
3-4 正面から論駁するカント (注1, 注2, 注3)
空間が現象の形式だからこそ、純粋幾何学は客観的実在性をもつ
物それ自体が認識できないという主張は観念論なのか
現象は仮象ではない
みずからの観念論をどう呼ぶか
第4章 「自然科学」がどうして可能なのかを問うてみる
超越論的論理学とは
4-1 自然とは何か (§14 ~ §17)
自然の形式面
対象としての自然
自然の二義を踏まえた、アプローチの選択
4-2 知覚判断と経験判断 (§18, §19)
経験的判断と経験判断
経験判断は純粋悟性概念を必要とする
交換概念としての「客観的妥当性」と「必然的な普遍妥当性」
純粋悟性概念の演繹に代わって
4-3 いかにして経験判断は可能か (§20, §21, §21a, §22)
経験一般の分析 —— 意識一般の析出
純粋悟性概念に基づく判断
3つの表が提示される
意識の哲学
4-4 自然科学の普遍的原則について (§23 ~ §26)
純粋自然学的表の内容
「直観の公理」と「知覚の予科」
「経験の類推」と「経験的思考一般の要請」
原則の表の意義
5-1 ヒュームの会議を払拭する (§27 ~ §30)
ヒュームの懐疑とは何か
関係カテゴリーの機能
ア・プリオリな総合的判断はいかにして可能か —— その答え
5-2 独断論の批判 (§31 ~ §35)
現象の根拠としての物それ自体
純粋悟性概念の超越的使用
図式と悟性体(ヌーメノン)による限界設定
5-3 超越論的哲学の最高点 (§36 ~ §39)
再び、自然の二面
主観的なものが同時に客観的なものである
悟性が自然の普遍的秩序の期限である
カテゴリーの体系について
カテゴリーをどのように見いだしたか —— アリストテレスとカント
第6章 独断論的な形而上学を批判する
6-1 理念と弁証論 (§40 ~ §45)
形而上学の領域と純粋理性概念
内在的と超越的
理念と仮象
悟性概念と理性概念
理念を導出する仕方
純粋理性概念は「生得的」でない
3つの理念
理念の意義
超越論的理念とは何か
6-2 心理学的理念の問題 (§46 ~ §49)
実体的なものへの問い
絶対的主体は「私」ではないか
魂の持続性という問題
外界の存在証明
6-3 宇宙論的理念の問題 (§50 ~ §54)
宇宙論的理念と独断論的なまどろみ
宇宙論的理念とは何か
4つの二律背反
人間理性の稀有な現象
数学的二律背反における誤りの所在
力学的二律背反と自由の問題
自由とは何か
当為と実践的自由
実践的自由を手がかりとして、超越論的自由を考える
6-4 神学的理念の問題 (§55)
純粋理性の理想
6-5 超越論的理念の統制的使用 (§56)
超越論的理念の意義
統制的と構成的
第7章 理性の限界を見定める
7-1 理性の限界と制限 (§57)
懐疑論もまた超越的に
限界と制限はどのように違うか
限界における外と内との結合という問題
理神論と有神論 —— 「象徴的な擬人感」へ
7-2 独断論と懐疑論の中間の道 (§58, §59)
類推に従う認識
理性で世界を考える
理性による自己規制
自然的神学
7-3 理性の実践的使用に向けて (§60)
実践的原理のための領域
『純粋理性批判』における思索の態度
第8章 カント自身の「答え」を確認する
8-1 いかにして学問としての形而上学は可能か
『純粋理性批判』という答え
学問の前進と形而上学
蓋然性・憶測・常識と形而上学
学問としての形而上学
8-2「付録」から『純粋理性批判』との向き合い方を学ぶ
研究してから判断しよう
「研究に先行する判断」の実例 —— 憤慨するカント
「超越論的観念論」だって?
〈問い〉の共有
「研究に後続する判断」のために
『純粋理性批判』初版へのカントの思い
理性批判と神学
おわりに