アメリカ哲学史
アメリカ哲学史
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哲学の歴史 第8巻 社会の哲学 第8章 アメリカン・プラグマティズム1 より https://gyazo.com/9962b3527f44653646b2c023f0dea461
アメリカの哲学史については、わが国では次の簡単なものがあるだけである。
参考までに、今日アメリカで出版されているアメリカ哲学史の代表的なものとして、次のものを挙げておく。
B. Kuklick, A History of Philosophy in America, 1720-2000, 2001.
また、アメリカ哲学の古典的テクストのアンソロジ ーとしては、次のものが代表的である。
J.J. Stuhr, Classical American Philosophy, 1987.
国家の発展に影響され形づくられてきたアメリカ哲学。宗教的伝統との関係も含めて、その歴史が重層的かつ精緻に描かれる。
帯に書かれている説明
大陸哲学に影響を受けた思弁的思想(1720~1868)、プラグマティズムの誕生と隆盛(1865~1930)、より世俗的で制度化された専門哲学(1910~2000)の3時代にわけ、思想の伝統と思想家の意図をふまえて、宗教的なものから世俗的なものへと移っていった長く曲がりくねった歴史をたどる思想史の重要書。
「この本の内容」に書かれている説明
目次
序論
第1部 アメリカにおける思弁的思想 一七二〇―一八六八
第2章 哲学と政治
第3章 神学論争 一七五〇―一八五八
第4章 カレッジの哲学 一八〇〇―一八六八
第5章 革新的なアマチュアたち 一八二九―一八六七 第2部 プラグマティズムの時代 一八五九―一九三四
第6章 革命のかたち
第7章 観念論へのコンセンサス 一八七〇―一九〇〇 第8章 ケンブリッジにおけるプラグマティズム 一八六七―一九二三
第9章 ハーヴァードにおけるプラグマティズム 一八七八―一九一三
第10章 シカゴとニューヨークにおける道具主義 一九〇三―一九三四
第3部 専門職的な哲学 一九一二―二〇〇〇
第11章 専門職的な実在論 一九一二―一九五六
第12章 アメリカに対するヨーロッパのインパクト 一九二八―一九六四
第13章 ハーヴァードとオックスフォード 一九四六―一九七五
第14章 専門職哲学の苦難 一九六二―一九九九
結論
謝辞
訳者解説 アメリカ思想史の一分野としてのアメリカ哲学史 入江哲朗 訳者あとがき 大厩諒
方法、文献、註
主要人物表
事項索引
人名索引
ここでより重視したいのは、こうした多面的な全体像から、アメリカ哲学史の研究者としてのククリックへ視野を絞ってもなお、彼が珍しい存在でありつづけているという事実である。なにしろ、アメリカ哲学史の全体を主題とする研究書が二〇〇一年の本書以前に出版されたのは四半世紀近く遡った一九七七年のことであり、本書以後も類書はほとんど現れていないのだから。
日本の状況に即して言い換えるなら、本書は二種類の通念を突き崩している点において貴重である。
第一に、おそらく日本の読者が「アメリカ哲学」と聞いてまっさきに思い浮かべるのはプラグマティズムであろう。アメリカ哲学史という分野のマイナーぶりゆえに、プラグマティズム以外の何がそこに含まれるのかはこれまであまり知られてこなかった。
第二に、「哲学史」と銘打つ日本語の本を手に取る際に多くの者が予期するのは、〝誰々の何々という学説が誰々に影響を与えた〟といったかたちをまとう学説史であろう。しかし本書では、哲学者たちが属した社会、文化、制度についての記述が、学説の解説とほぼ同じ比重を占めている。これは、ククリックが歴史家としてアメリカ哲学史に携わっているために生じた特徴である。
ようするに、「アメリカ哲学史」という看板が惹起しがちな〝哲学者が書いたプラグマティズムの歴史の本〟というイメージを、本書は二重の意味で裏切っている。
A Political History of the USA: One Nation Under God
この本は、ヨーロッパと「新世界」との最初の接触から、2016 年のドナルド・トランプ大統領の選挙に至るまで、米国の歴史を魅力的に説明したものです。ブルース・クーリックの率直かつ権威ある語り口は、予備知識を必要とすることを過度に単純化することなく、米国の歴史の複雑さを学生に導きます。政治を宗教文化の文脈に置き、歴史を通じてアメリカの積極的な拡大を探求する『アメリカの政治史』は、幅広い例、一次資料からの生き生きとした抜粋、本文を浮き彫りにする地図やイラストによって裏付けられています。それが提示する歴史の物語は、簡潔かつ微妙であり、そして鋭く描かれています。
米国の政治、文化、宗教の歴史について、説得力がありながらもバランスのとれた説明を提供するこの本は、歴史とアメリカ研究を学ぶ学部生にとって必読の書です。