COVID-19 2021/8
事実と向き合う強さとか冷静さ
絶望しない、希望しない
夜間の繁華街の人出である滞留人口のデータと、1日の平均気温の2つの因子だけを利用して、実効再生産数を予測した分析です。
その2つのデータを入れると、実効再生産数を意外にきれいに捉えることができることが知られています。
滞留人口のデータ
夜間の繁華街の人出
1日の平均気温
伝播している場を見ていると、屋内が中心であることはまだ変わりません。飛沫の飛びやすいところで接触することがリスクであることもおそらく変わらない。でも、その程度が上がっています。
デルタ株の再生産数は従来株の少なくとも2倍で、一人当たりの感染者が生み出す2次感染者数の平均値は少なくとも5〜6ぐらいだろうと考えています。5~6というのは、他のウイルス感染症で言えば「風しん程度」です。
風しん
臨床現場の先生たちと会議で話していて、「風しんだとマイクロ飛沫の伝播が起こっていますよね」と言われたことがあります。
同じ部屋の中、近距離で向かい合っているだけではなく、同じ部屋の少し離れた場所にいて、換気があまりよくないところだと伝播が起こってしまうことがある、という印象ですね。これまでの株では、相当長時間でなければそんな伝播の仕方はしませんでした。
それはあるでしょうね。人が動く限りは。
つまり「終息」はないと思いますが、「収束」はあり得ます。上手に波を乗りこなすことができる道具を我々は持ちつつあります。波が来たら静かに過ごしたり、波の度合いによって被害を大きくしないようにしたりすることはできます。
ただの風邪などでは決してないです。考え方はインフルエンザ並みになるかもしれませんが、この病気はインフルエンザほどたくさんの人がかかるわけではありません。
だから実は多くの人、特に軽く済むといわれる若年層、中年層は危機感がない。自分がかかる確率は決して高くはないのです。
しかし、いったんかかると悪化する率はインフルエンザの比ではない。また最近はLONG COVIDと言われる、厄介な後遺症の問題もあります。
飲みに行こうが遊びに行こうが、かかる人は本当に一握りなんですが、病気は罹るより罹らない方がいい。なので、医者は元気な人に向かって「罹ってはいけないので、ああせいこうせい......」と言うことになるのです。
オックスフォード大学/アストラゼネカ社の新型コロナワクチン(ChAdOx1 nCoV-19、AZD1222)はウイルスベクターワクチンという技術を用いています。
ウイルスベクターワクチンとは、人体に無害なウイルスを「ベクター(運び屋)」として使用し、新型コロナウイルスのスパイク蛋白の遺伝情報をヒトの細胞へと運ぶものです。
ベクターを介して細胞の中に入った遺伝子からスパイク蛋白が作られ、体がスパイク蛋白に対する免疫を作ることで効果を発揮します。
新型コロナウイルスそのものを接種するわけではなく、また接種することによってヒトの遺伝子が書き換えられることもありません。
ChAdOx1 nCoV-19はチンパンジーのアデノウイルスをベクターとして使っています。
このチンパンジーアデノウイルスはヒトには無害であり、また体内では増殖できないようになっています。
ヒトのアデノウイルスは多くの人が免疫を持っているためベクターとして使えないため、チンパンジーのアデノウイルスが用いられていますが、一度ワクチンを接種してしまうと、このチンパンジーアデノウイルスに対しても免疫ができてしまうため、2回以上は接種できないと考えられています。
https://gyazo.com/5da4c41a0b78ddbfa02cd897b584ac2b
デルタ型変異ウイルスは従来の新型コロナウイルスよりも感染力が43~90%強いと報告されていたアルファ型よりも、さらに64%感染力が強いとされています。
CDCの報告書によると、従来の新型コロナウイルスは1人の感染者から平均1.4〜3.5人くらいに感染していましたが、デルタ型は1人の感染者から平均5〜9人に感染すると算出しています。
これは、MERSやSARSといった同じコロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、エボラ出血熱などよりも感染力が強く、空気感染する水痘(水ぼうそう)と同等と考えられます。
また、みすず書房かよ、の心
事実と向き合う強さとか冷静さ
絶望しない、希望しない
「ワクチンが感染を100%防ぐと言われたことは一度もありません。最も大切なのは、重症化や死亡を防ぐ効果です」
「ワクチンを全く接種していない人たちがいる中で一部の人に追加接種するよりも、まずは全員に一度でも接種するのが最善策です」
米保健福祉省の広報担当者は、規制当局もこれらの新しいデータをモニタリングしていると話す。「追加接種が必要だということが科学的に示された場合には許可する用意があります。CDCおよびFDAによるいかなる勧告も、徹底した調査の後に行われます」
いずれにしても、追加接種が必要になったときのために準備しておいて損はないとウェリー氏は言う。「今のところ、ワクチンの接種を終えていれば、米国内で新型コロナによって重症になる可能性は極めて低いと確信して構いません」
「多くの病原体にとって、私たちはどちらかと言えば弱い存在です」とカロン氏は話す。エイズやマラリアなど、「一度たりとも感染したくない」病気もある。「しかし多くの病原体、特に新型コロナウイルスのような呼吸器病原体については、私たちの目標はもう少し控えめです。私たちの目標は(感染しないことではなく)重症化や死亡を防ぐことです」
ーー最後に一般の方に今伝えたいメッセージをお願いします。
心からのお願いです。一人一人の注意力を5割ぐらい増やして、行動を5割ぐらい減らしてほしい。人の動きを減らすと感染者が減るというデータは出ています。
例えば、5回外でご飯を食べに行くのを、2回くらいに減らしてください。5割減の努力をしてください。今の感染拡大を収めるために、一人ひとりにそういう努力をぜひお願いします。
リスクある行動を半分減らすことが、見えないリスクから自分の身を救うことにもなります。家族も含めた身近な人が重症になることも防ぎます。その行動は結局、見知らぬ人をも救うことになります。
やはり優しさがないとこのウイルスには勝てません。どうかよろしくお願いいたします。