認知心理学からリスクを考える
認知心理学からリスクを考える
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書評
私にとってのリスクマネジメントは、一瞬の判断や滑走中のミスが大ケガや命に直結するエクストリームスキー(現在でいうフリーライド)で世界各地の大会に出場していた時に身につけてきたものがベースになっています。この競技のリスクマネジメントの特徴は、オンサイトでの判断を歩行時のスピードとはかけ離れた、一瞬のスピードで下さなければならない点でした。瞬時の判断をよりよいものとするためには、事前の想定を結末も含めてイメージし、分析して複数の選択肢を予め持っている必要がありました。そのような考え方のヒントは、本書の第2章から第5章に収められています。
エクストリームスキー(現在でいうフリーライド)
オンサイトでの判断を歩行時のスピードとはかけ離れた、一瞬のスピードで下さなければならない
その後、私はコンペティションでの経験をもとにさまざまな山岳地で活動していくことになるのですが、そこでのリスクマネジメントに大きく影響を及ぼしたのが、国立登山研修所での経験です。国立登山研修所では一流クライマーや第一線で活躍する山岳救助隊の方々とパートナーを組み、学生の指導や救助隊への指導にあたりました。同時に国際山岳ガイド資格を取得する過程でヨーロッパアルプスに通い、研修や検定を繰り返しましたが、ここでの教官は著者の二人がトレラン等のレースの安全管理でタッグを組んでいる長岡健一さんでした。
国立登山研修所
国際山岳ガイド資格
そして第51次南極観測隊ではFAとして一夏、野外観測の安全管理を担当し、ここでも経験を積みながらリスクマネジメントの実践を行なってきました。
FA
フィールドアシスタント
評者=佐々木大輔
1977年生まれ。国際山岳ガイド。ビッグマウンテンスキーヤー。大会で活躍しながら、冒険的な滑りにも挑戦。2017年には北米最高峰デナリ南西壁の標高差約2500mの滑降に成功。
フィールドアシスタントとして憧れの地であった南極に足を踏みいれた佐々木さん
昭和基地から約600キロ離れたセール・ロンダーネ山地で過ごした3ヶ月間の活動
第51次南極観測隊
2009-2011
セール・ロンダーネ山地地学調査隊
1937年にノルウェーのLars Christensen調査隊が発見し、ノルウェーの国立公園にもなっているロンダーネ山地から命名されたもので「南のロンダーネ」を意味する。昭和基地の西方約600キロメートルの南緯72度5分、東経25度付近に位置する四国ほどの面積の山地で、標高1,000メートルから3,000メートル級の山が連なる。最高峰は2,996メートル。山地は6〜5億年前にゴンドワナ大陸の衝突によって形成されたと考えられている
61次隊
2019年