秘密
秘密
@EnJoeToh: OSINTは当然、テキスト論、読書論、探偵ものとして捉えられるべきものであって……ソレルスの『秘密』ってそういう話だな、そういえば。 フィリップ・ソレルス(Philippe Sollers, 1936年11月28日 - )は、フランスの小説家、批評家、映像作家。
実験性や広汎なテーマを備えた数々の小説を発表する一方で、雑誌「テル・ケル」を主催し、思想や文学理論、さらには政治活動などで幅広い活躍を見せた。20世紀後半のフランス文学の重要人物の一人と目されている。
Le Secret, Gallimard, 1993
『秘密』野崎歓訳、集英社、1994年
https://gyazo.com/0e1dcead8d5a7b778c5cb1455ee2d5eb
どういう小説なんだろうこれは?
要約は手に余るので、袖書きを引用。
「ぼく(ジャン・クレマン)はヴァチカンの秘密諜報員。妻ジュディットと10歳のジェフなる息子がひとり、それからぼくのうら若くも年老いた親愛なる母。ぼくは、現ローマ教皇ヨハネ=パウロ2世暗殺未遂事件の真相を解明した報告書を、上司フレナールに提出するが、握りつぶされ、閑職にとばされる。そこで胸のうちをあれこれと書きつけたのが本書『秘密』。教皇に向けて発射された凶弾の出所は? 背後に働いた力は? この謎をめぐるうちに、世界の秘密に、ぼくは踏み込んでいく。」
が、このあらすじで期待されるようなサスペンスフルな物語性はない。なにしろ出来事の描写がない。日記のようなプライベートな文章を読んでいるかのような印象で、ストーリーのつながりは意識されず、散発的な記述が連なる。たいていのプライベートな文章がそうであるように、読むがわからしたら非常に不親切な文章ということになる。