戦術的ピリオダイゼーション(?)
from 2019/05
ピリオダイゼーション
戦術的ピリオダイゼーション総論。ゲームモデル=「複雑系」への対応 | footballista
ゲームの要素を4つ(ボール非保持/ポジティブトランジション/ボール保持/ネガティブトランジション)に分割した場合、どの局面にも存在する「3つの次元」について言及している。それが「技術」「心理状態」「戦術」だ。  言葉通り、戦術的ピリオダイゼーションは「戦術」を「中核」だと考えている。
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戦術的ピリオダイゼーション、ピリオダイゼーションとは - copy and destroy
戦術的ピリオダイゼーション実践編。ゲームモデルは歴史や文化も含む | footballista - Part 2
対ユベントスを想定した1週間のトレーニングメニュー
となると次は、このプレー原則をチームに浸透させるために、1週間のトレーニングをどのように組み立てるか、という議論になる。火曜日からスタートして土曜日に仕上げるという5日間の中に、どんなトレーニングメニューを織り込んでいくのか。
火曜日のトレーニングにおいてフォーカスされるのは、次の試合のテーマとなる基本的なプレー原則だ。次の対戦相手とどういうシステムのかみ合わせになるからどのゾーンをどうやって突くべきかといった戦術的なディテールには、一切関心を払わない。それは木曜日に行うべきことだからだ。次の対戦相手がユベントスで、戦術分析担当のレナートとダビデの分析の結果、システムが[4-3-1-2]になる可能性が高いとしよう。彼らは中央のゾーンに8人固まっている。[4-3-3]で戦うこちらは6人だ。そのため中央から攻撃しても相手の守備を崩すのは難しい。だとすればこちらが2対1の関係を作れるサイドから崩すというのが、攻撃の基本コンセプトになってくる。
火曜日のトレーニングでは、ボールポゼッションなど心身の負荷の少ないメニューの中で、特に強調することもなく、むしろほとんど無意識にピッチの幅を使って攻撃するような方向にチームを仕向けていくようメニューを組み立てる。その時にはシステムやポジションすらも特定しない。チームには今23人のフィールドプレーヤーがいるから、10対10でさらにジョーカーを3人入れる。中央に1人、サイドに2人。そして、この3人すべてがボールに触ったら1点、というルールでミニゲームを行う。これは、チーム全体にピッチの幅を使って攻撃するというプレー原則を意識づけることが狙いだ。
そこから始まって、水曜、木曜と段階的に試合のディテールにトレーニング内容を近づけると同時に、集中力の維持、状況判断とプレー選択といった戦術的な負荷のレベルも上げていく。ピークは木曜日だ。前の試合からも次の試合からも最も遠い日なので、心身の負荷が最も大きなメニューが組める。
木曜日には、同じ10対10でも本番と同じように敵味方のシステムをかみ合わせ、試合の状況をシミュレートするようなミニゲームを行う。攻撃時にはピッチの幅を使いサイドで数的優位を作り出して攻めること、守備時には中央から攻めてくる[4-3-1-2]の相手に対して中央に絞って厚みをつけた布陣で守ることが基本のプレー原則なので、ゴールを中央に1つ、サイドに1つずつ置いて、攻撃時にはサイドのゴールを攻め、守備時には中央のゴールを守るようにルールを設定する。そして、どうやってサイドで数的優位を作り出すかという具体的な選択肢もそこに入れ込んでいく。例えばオーバーラップならオーバーラップという、ディテールに関わるより下位のプレー原則も入ってくるわけだ。
試合に近づく金曜、土曜は、集中力や認知能力が高まっているが、そこであまり負荷をかけて消耗させたくないという状況があるので、新たなプレー原則やそのディテールを付け加えるのではなく、考えたり判断したりという要素は最小限にとどめて、むしろ木曜までに学習したディテールを遂行することにフォーカスしたメニューを組む。認知や学習というメンタル的な負荷に関わる戦術的インテンシティという観点から言うと、火曜、水曜は木曜日のピークに向けて負荷を上げていき、金曜、土曜はまた落としていくというプロセスを踏んで、日曜の試合に臨むという流れになるわけだ。