『正義論』読解: 第二部 第四章 「平等な自由」
前文
第二部としての前文
達成目標は正義の諸原理の内容を明らかにするところにある。
(第四章、第五章において)諸原理を充たす基礎構造のひとつを描き出し、さらに(第六章において)諸原理から生じる複数の義務および責務を検討する
第四章 平等な自由
第五章 分配上の取り分
第六章 義務と責務
私の意図は次の二点をはっきり示すことにある。第一部では制度的な形態から分離・抽出されたものとして論じられてきた正義の諸原理が、
1. 実際に有効な政治的構想を定義しうること
2. 私たちの〈しっかりした判断〉に対する近似にしてかつそれらを拡張したものとなっていること
第四章としての前文
〈四段階の系列〉を詳しく説くことから着手するが、この作業を通じて、原理は制度へとどのように適用されていくべきものなのかが明らかとなる。
(次いで、)〔「正義の二原理」のそれぞれに対応する〕基礎構造の二つの部分を完結に説明し、自由の概念を定義する。 (これが終わったら、)平等な自由に関する三つの問題について論じる
1. 良心の自由の平等
2. 政治的正義および政治的権利の平等
3. 人身の自由の平等、および、この自由と法の支配との関係
(その上で、)自由の優先形の意味を取り上げて検討し、原初状態のカント的解釈を簡潔に説明することで本章を結ぶ。
31 四段階の系列
32 自由の概念
33 良心の自由の平等
34 寛容および共通の利益
35 不寛容派に対する寛容
36 政治的正義と憲法
37 参加原理に対する諸制限
38 法の支配
39 自由の優先権の定義
40 <公正としての正義>に関するカント的解釈