2023-02-25のセッションより
十六枚目のスライド。
清い貓性を結晶してから投與するのではなく、人腦の中に清い貓性だけを選擇的に發生させる試みの圖。
人腦の中にも、人との關はり合ひの結果貓性が發生する。
育成條件を色々試して、清い貓性だけが發生する樣に仕向ける實驗が行はれた。
しかし何れの場合も、穢れた貓性が多量に混在して了ひ、巧く行かなかった。
===此處迄前回===
ダイヤルを囘す。
十七枚目のスライド。
十七枚目のスライドが映る筈だったが、私には最初何も映ってゐない樣に感ぜられた。
私は、何を見たら良いのか、何が映ってゐるか判るには如何すれば良いのかと思ひ惱んだ。
しかし、指摘を受けてもう一度向き合ふと、其れは「眞っ白なスライドが映ってゐる」狀態なのであった。
https://gyazo.com/b45d783d12ff8f5b63e68d6a8d94f2e9
眞っ白なスライドを見てゐると、急に自分達の事に意識が向けられ、
『赤い圓筒形は、嘗て「私」から「稚い心」として抽出/轉寫され、其の中に清い貓性を生ずる事を期待した實驗として、赤い精神的物質である「擲つ心」を多量に投與され、しかし其の結果貓性を宿す事の無かった存在である。』
と云ふ觀念が想起された。
第一の實驗は、已にゐる生き物から清い貓性を取り出す實驗で、此れは失敗した。
第二の實驗は、此れから貓性を宿すであらう人閒に影響を與へて清い貓性のみを生じさせる實驗で、此れも失敗した。
第三の實驗は、「私達」に對して行はれた實驗である。
貓性を生じない/直ぐに失って了ふ存在から抽出した精神を配合して、貓性が生じて持續する樣にする實驗である。
https://gyazo.com/504264e29990c967e1d518ba3c28af25
狀況のおさらひをする。
カンファレンスルームの眞ん中に、登場人物である、綠の金屬で出來た映寫機がある。
映寫機の周りは、ロの字に机が取り圍んでゐる。
私は幼い日の物置部屋で手に入れた綠色のローブを身に纏ってゐる。
私は映寫機の左後ろにをり、左手(登場人物である「水」によって濕ってゐる)で箱形の有線リモコンを把持し、右手でダイヤルを操作してゐる。
左の机の上に、登場人物である、黃色く光る圓筒形を納めた青い金屬のランタンが置かれてゐる。
其の左には私が持って來た椅子があり、椅子には赤い圓筒形が腰掛けてゐる。
赤い圓筒形は、稚い心を示していると考察されてゐたが、五色分心分界論で稚さの色である青色ではないのは何故かと疑問に思はれてゐた。
此の眞っ白い十七枚目のスライドの示した所に據れば、以下の通りである。
……
そもそも、貓性と云ふ物は「人を支配する力」である。幼子が親を支配する樣に。貓が飼ひ主を支配する樣に。
詰り、稚さと云ふ物は貓性を生ずる材料に成り得る物である。
しかし、稚さから生じた貓性は、其の儘にして置くと成長とともに消失するか、さもなくば穢れた貓性に變性して了ふ。
何故なら、自分の有する貓性に氣付いた人は、多く其の貓性を我慾の爲に行使し、此れを穢して了ふからである。
貓性が獸性に染まるのを防ぐ爲に、赤い心、卽ち擲つ心を大量投與し打ち消す事で、稚さから生じた貓性が清い儘に保たれるのを期待したのである。
「自らを犧牲として差し出す幼子=赤い圓筒形」には、清い貓性が屹度結晶する筈であった。
實驗の結果として、此の圓筒形は擲つ心によって眞っ赤に染まった訣であるが、しかし已んぬるかな、其處にはそもそも貓性自體が生じなかったのであった。
次いで、青い稚い心と、黃色い執成す心を組合はせる事で、綠色の清い貓性を生じさせる實驗が行はれた。
しかし、此方にも貓性は到頭生じなかった。
執成す心によって行く道を照らす圓筒形を、稚い心で鎧ったランタンが、實驗の後に殘された。
……
そして此れ等を更に振り返ると、此れらの實驗は全て私が幼い頃から試みて來た事であった樣に思はれた。
同胞が兩親を支配する樣を見た幼い私は、其の支配の力を自らに取り戻さうと試みた。そして失敗したのであった。
【講評】
湧いて來たイメージを意識に上さずにディスカードして了ふのは、家にやって來た客を物置に閉ぢ込めて了ふ樣な事である。
湧いて來たイメージに向き合はう。
カンファレンスルームに就て。
最近夢の中で、ホテルのロビーで學會關係の人達に會ふシーンがあった。
カンファレンスルームとも關係してゐるかも知れない。
カンファレンスルームは、以前私が勤めてゐた施設にあった物と少し似てゐる。
60枚のスライド。
アクティブイマジネーションセッションでは、重要なイメージに出會ふ迄に長い長い旅路を辿る事が多い。
しかし、時折、今囘の樣に一塊のスライドを順繰りに見て行くとか、或いは見付けた本の内容を一頁づつ讀んで行くなど、其の旅路を一氣に凝縮した樣なセッションと成る事がある。
此れ等のスライドによって、長い旅路に匹敵する程の實り多い物と成ると自信を持って進んで行かう。
同時に、長い旅路に匹敵する困難な物とも成らう。
此れ等のスライドは、自身の「過去」を映し出す物の樣である。
研究所と坑道の對比。
研究所は打ち棄てられてゐるが、坑道は最近迄使はれてゐた樣に見える。
研究所よりも、坑道の方が新しいのかも知れない。
坑道は若しかすると高校卒業の後の時期、或いは更に後の物かも知れない。
繪を描くのに時間が掛り過ぎ。
アナログな道具や、ペンタブ・描畫ソフトの用意等、工夫が必要であらう。