責任の分散
「いわゆる民主主義的にみんなでやろう、誰もが責任者である」ということは、真の責任者が誰もいないということになる。 誰かがやるだろうと思ってしまい、結局誰も何もしなかったということになる。
ある出来事に対する責任が複数の人間によって共有されると、その責任の重さが個々人に分散されることがある。
それによって個々人が感じる責任が、自分ひとりだけに責任が集中するよりも軽くなる。
「ダブルチェック」など複数の人間で安全管理を共有すると、無意識のうちに「他の人がいるから大丈夫」と思ってしまい、結果チェックが不十分になってしまうことがよくある。 そこで、教育訓練においては、各人の役割を明確にし、責任をもって遂行することを実体験できるような工夫が必要である。
また、日常業務における責任の分散を防ぐには、各人のパフォーマンスを把握することが大切である。
具体的には、個人の行動を記録するシステムや、他者の目を集団成員に意識させる外部評価システムの導入などが考えられる。