文化産業
そして現在、「文化産業」の問題は、消費社会論やカルチュラル・スタディーズの立場からも注目を集めている。だれが言ったんだ、そんなこと。
なおこの概念は、二人の共著『啓蒙の弁証法』(徳永怐訳、岩波書店、1990)の第4章で集中的に展開されているが、「文化産業」を直接の主題としたドイツ語の原著は存在しない。 英語版のアンソロジー『Culture Industry』(Verso 1991)は、その遺漏を埋めて余りある。
価値の不確実性
無限の多様性
自動車のような生産物に関しては、その性質に基づいて生産物同士を区別することができる。多くの生産物は、比較的少ない性質に基づいて分類することが可能である。しかし、文化的財の場合は、性質が多様であり、しばしば 主観的である。このため、文化的財を互いに比較することは難しい。 取引される生産物の高い集中
短い寿命
高い固定費用
市場に出すまでに巨額の費用がかかる。映画の製作費用は、その映画の複製費用に比べてはるかに高い。 マックス・ホルクハイマー(Max Horkheimer)
テオドール・ルートヴィヒ・ヴィーゼングルント=アドルノ(Theodor Ludwig Wiesengrund Adorno)