所沢ダイオキシン事件
問題の発端は、ダイオキシン問題報道が質・量ともに頂点に達していた 1999年の 2 月1 日である。 この日、テレビ朝日系列の報道番組「ニュースステーション」は、埼玉県所沢市周辺のダイオキシン汚染の実態を独自のデータを交えて報道した。
この放送は大きな反響を呼び、報道の中で「ダイオキシンに汚染された野菜」とされた所沢産のホウレンソウは、翌日以降、大きく値を下げた。 だが後に、番組の中でホンレンソウのものとされていたダイオキシン含有データは、煎茶のものであったことが判明する。
すると、農家をはじめ、他のマスメディア、評論家・ジャーナリスト、そして国会議員や政府も、テレビ朝日や「ニュースステーション」を批判しはじめた。
さらに所沢市周辺の一部の農家は、「ニュースステーション」の報道が名誉毀損に当たるとして、テレビ朝日を提訴するに至った。 この訴訟は最高裁まで争われ、テレビ報道による名誉毀損の基準に関する新たな判例も出された 。