アリストテレス
ギリシャの哲学者。
マケドニア王侍医ニコマコスの子としてカルキジキ半島スタゲイロスに生まれる。
前367年アテナイに出てアカデメイアにはいり、師プラトンから影響を受けた。
各地を巡ったのちアテナイ郊外にリュケイオンと呼ばれる 学校を設立し(前336年ころ)、研究に専心。 その学徒をペリパトス(または逍遥)学派という。
かつて個人教授をしたこともあるアレクサンドロス大王が没し、アテナイに反マケドニア運動がもち上がると、アリストテレスはカルキスに隠退し、翌年死んだ。 彼の哲学はプラトンを受け継ぎ、まず形相(形相因、動力因、目的因)と質料を想定し、動的には可能性が現実性になる(質料が形相によって現実化する)過程を考え、これをすべてに当てはめて説明した。
しかし形相が事物に内在するとした点で、イデアを超越的としたプラトンと異なる。
科学者としては、動物の発生、分類、解剖、生態などの研究に業績を残し、また原子論に反対、エンペドクレスを継いで万物は四元素(土、水、空気、火)からなるとし、天体は地球のまわりを同心の天球に着いて円運動すると考えた。
主著は『論理学』『形而上学』『自然学』『政治学』『修辞学』『詩学』など。