対人呼び込み
リンクリストに載っているキャラクターを対象とした呼び込み判定を、『対人呼び込み』と呼びます。対人呼び込みを行った結果が成功だった場合には、呼び込まれたキャラクターはシーンに出現します。では出現したキャラクターの扱いはどのようにするのでしょう。
コントロール権の有無
キャラクターを呼び込む場合、その対象は大きく分けて二種類に分けることができます。それはキャラクターのコントロール権を持つセッション参加者の有無によって分けられます。つまり、プレイヤーまたはゲームマスターのコントロール下に置かれているキャラクターであるか、それともコントロール下に置かれていないキャラクターであるかということです。
プレイヤーキャラクターはセッションに参加している最中にはプレイヤーによってコントロールされていますし、セッションに登場している多くのNPCはゲームマスターのコントロール下にあります。一方セッションに参加してないプレイヤーキャラクター(ベンチ入りしている、とでも言いましょうか)や、「倫敦紳士録」に記されていても現在NPCとしてゲームマスターがセッションに登場させていないキャラクターはコントロール下に置かれていないキャラクターと見なすことができます。 このようにキャラクターを扱うということは、そのキャラクターに対してコントロール権を持つということです。
コントロール下にあるキャラクターを呼び込む場合
プレイヤーかマスターのコントロール下にあるキャラクターは、呼び込み判定が成功した場合にはそのシーンに登場します。そしてそのシーンに登場した理由は、基本的にコントロール権を持つセッション参加者によって理由づけされる必要があります。つまり登場の理由は『呼び込まれた側のキャラクターを現在扱っているプレイヤー』が宣言します。この理由が説明できない場合には、呼び込んだ側のプレイヤーが説明を試みます、そのプレイヤーにも説明できない場合にはマスターや他のプレイヤーがその理由を説明を試みて下さい。セッションに参加しているプレイヤーとマスタの誰もが説明することが出来ない場合には、例え判定に成功していたとしても呼び込みは失敗します。
また呼び込まれたとしても、そのキャラクターを扱うのは継続してコントロール権を持つセッション参加者です。
コントロール下にないキャラクターを呼び込む場合
プレイヤーかマスターのコントロール下にないキャラクターがシーンに登場する場合には、新谷コントロール下に置かれる必要があります。「蒸気爆発野郎!」の場合には、呼び込んだプレイヤーがそのセッション中を通じてコントロール権を主張できます。つまり、呼び込み判定を行ったプレイヤー自身が、呼び込んだキャラクターの一時的なプレイヤーになります。また、当然ながらこの一時的なコントロール権を行使されているキャラクターは、他のプレイヤーから呼び込み判定によってシーンに登場した場合にも、その一時的にコントロール権を持つプレイヤーのコントロール権が維持されます。このコントロール権はそのセッションが終了するまで維持されます。
コントロール下にないNPC(もちろん『熱い魂を持つ存在』です)または、現在セッションに参加していないプレイヤーキャラクターが呼び込まれた場合、その熱い魂ポイントは呼び込まれた時点で必ず2点になります。現在セッションに参加しているプレイヤーキャラクターを対象とした場合には、熱い魂ポイントに関しては、その時点での値が適用されます。
呼び込んだコントロール下にないキャラクターの扱い
呼び込まれたキャラクターは、そのセッションの間に限り、呼び込んだプレイヤーが扱います。呼び込まれたキャラクターは、別に呼び込んだプレイヤーの扱うキャラクターのために出現する訳ではありません。親しい友人などは、そのキャラクターのためを思って動いてくれるかもしれませんが、敵ならば敵として振る舞うでしょうし、用事が無いキャラクターは、特に関係しようとしないでしょう。
<コラム:《コネクション》技能の成功判定との違い>
呼び込み判定は、プレイヤーが呼び込んだキャラクターを、『偶然その場に居合わせる』ように仕向けるルールだと言えます。一方、《コネクション》技能は、連絡を取った上で、相手に登場してもらうという手続きを表現するルールです。また、《コネクション》技能においては、一般人をキーパーソンにすることが出来ますので、今までに登場した事件の被害者や、気に入ったNPCをキーパーソンに指定することも出来る訳です。
例:リバーブロンズ警部のお手柄
連続殺人事件に頭を痛めているリバーブロンズ警部は、この事件に関係する情報を社会の暗黒面に求めようとしています。多くの場合、情報屋を介してそのような情報はやり取りされます。しかし、多くの情報屋は積極的に警察と出会おうとはしません。警部はただ時間が流れるのを待つだけなのでしょうか?
警部のプレイヤーはここで「情報屋を呼び込む」と宣言し、呼び込むキャラクターとして情報屋エドワード・グッドマンを指定しました。グッドマンのプレイヤーは「えっ」という顔をしましたが、これは仕方がないことです。判定の結果を待ちます。警部のプレイヤーは、サイコロを2個同時に振り、その結果は6と4、合計10。リンクリストに書かれたリバーブロンズ警部とグッドマンの間のリンクの強さは2。合計12となりました。この値はグッドマンを呼び込むことの出来る値です。警部のプレイヤーは、グッドマンのプレイヤーに対してこう言います。「このシーンへのグッドマンの呼び込みに成功した。その理由を決めてくれ」と。
グッドマンにとっては不幸かもしれません。しかしそのシーンに登場した理由を問われたグッドマンのプレイヤーはこう言います。「イーストエンドで無実の罪で捕まったグッドマンは、両手を縛られ警部の前に引きずり出されます。私のキャラクターはこう言います。『お久しぶりです警部。それにしても無実の者を捕まえるなんて、部下の教育が行き届いてませんな』とね」
今度は警部のプレイヤーが頭を悩ます番かもしれません。