詭弁について知る
一通り押さえておきたい
一通り終わったら自分の言葉でまとめなおしたい
たとえば前件否定の虚偽と後件肯定の虚偽は「正しいのは対偶だけ」でくくるとか
覚えやすくカード化したもの
それ、あなたの感想ですよね?
論点先取
それ、脅迫ですよね?
脅迫論証
勝手な前提入れてんじゃねえぞ。
伝統や新しさに訴える論証
論点先取
前提がそれだけとは限らんぞ。
誤った二分法
前提はどうなってんの?
連続性の虚偽
何も言えねえのに適当なこと言ってんじゃねえぞ
未知論証
論点すりかえてんじゃねえぞ
論点のすり替え
ループしてんぞ
無限論証
Aというと~~のニュアンスですけど、それって~~なんでしたっけ?
論点先取
list
前件否定の虚偽
A「自分がされて嫌なことは、人にもするな」
B「なら自分がされて嫌でなければ、人にしても良いんだな」
「XならばY」だからといって「not Xならばnot Y」ではないってことよな
対偶と勘違いしがち
後件肯定の虚偽
A「対象について無知ならば人は恐怖を感じる。つまり、怖がりな奴は無知なんだよ」
「XならばY」だからといって「YならばX」ではない
媒概念不周延の虚偽
「頭の良い人間は皆、読書家だ。そして私もまた、よく本を読む。だから私は頭が良い」
code:aa
X--->Y<---Z
だからといって X--->Z ではないし、Z--->Xでもない
早まった一般化
「私が今まで付き合った4人の男は、皆私に暴力を振るった。男というものは暴力を好む生き物なのだ」
サンプル数が少ないままに断定に導くのは軽率
厳密には列挙しきって全て該当することを示さないといけない
それができないなら確率ゲー
合成の誤謬
「Bさんの腕時計はロレックスで、財布とサングラスはグッチだった。きっと彼はお金持ちに違いない」
「Bさんは白ワインが大好きだ。他にもエビフライ、アロエのヨーグルト、カスタードクリームが好きだと聞いた。なら、白ワインとカスタードクリームを混ぜたアロエのヨーグルトをエビフライにかけた物も喜んで食べるに違いない」
こっちがわかりやすい
「ある部分がXだから、全体もX」という議論
性質Aがtrueで、性質Bがtrueだからといって、「性質Aと性質Bも備えた性質C」もtrueとは限らない
性質Aと性質Bの二つが混ざった性質は、「AとBが列挙されたもの」とは異なる
分割の誤謬
Aの発言は「Bさんはカレーライスが大好物だ。だからニンジンやジャガイモや米やカレー粉をそのまま与えても喜んで食べるだろう」と論理構造が等しい。
「全体がXだから、ある部分もX」という議論
媒概念曖昧の虚偽
一見第一格の三段論法に見えるが、文脈によって異なる意味を持つ単語を媒概念に使用しており
「車(自動車)は運転免許が必要な乗り物だ。自転車は車(車両)である。ゆえに自転車は運転免許が必要な乗り物だ」
この場合、「車」の意味が前者と中者で違う
連続性の虚偽
「砂山から砂粒を一つ取り出しても、砂山のままである。さらにもう一粒取り出しても砂山である。したがって砂山からいくら砂粒を取り出しても砂山は砂山である。」
砂山の定義が曖昧であるがゆえに詭弁が成立する
Aの定義が曖昧だと、Aの状態が変化してもAがAを保てているかどうかがわからないsta.icon
というより、何をもってAとするのか、がそもそもない
未知論証
「B氏は地底人がいないと断言している。しかし、そんな証拠はないので地底人はいることになる」
「XがYでない事は誰にも証明出来ない。故にXはYである」(存在しない根拠が無いということは「それが有る」ことの証明にはならない)という形式の推論で、これは未知論証という。
直感ではよーわからんsta.icon
地底人の証拠Pがあるなら、地底人はいる
地底人がいないなら、Pもない(対偶)
---
地底人の証拠がないなら、地底人はいる(たしかに論理的にはおかしいわね)
---
p→qだからといって、¬p→qとは限らない
じゃあどうすれば?
「証拠が無い場合は論証的には何も言えない」とするのが正しい
何も言えないのだということ
「君は僕の事を『嫌いではない』と言ったじゃないか。それなら、好きって事だろう」
ない、というのもまた誤った二分法
白黒とは限らない
隙間の神
「この現象は科学では説明できない。だから神の仕業としか考えられない」
未知論証の一つ
何も言えないのに神を持ち出してるってことかsta.icon
解明されたことが増えると神の居場所も狭くなっていく、隙間になっていくという皮肉
「スピード違反の罰金を払えというが、世間を見てみろ。犯罪であふれ返っている。君たち警察官は私のような善良な納税者を悩ませるのではなく、犯罪者を追いかけているべきだろう。」
世間とか犯罪者とかじゃなくてあなたの罰金の話をしているんだがってこと?
yes
「私は子どもが道路で遊ぶのは危険だと思う。」「そうは思わない、子どもが外で遊ぶのは良いことだ。A氏は子どもを一日中家に閉じ込めておけというが、果たしてそれは正しい子育てなのだろうか。」
いわゆる「誰もそんなこと言ってねえよ」
この場合は閉じ込めておけの部分
議論が過熱し論点が見えにくくなると起きやすい。社会生活上よく見られる。
対人論証
A「私は生活必需品の消費税を廃止するべきだと思う」 B「A氏はそんな事を主張しているが、彼は過去に傷害事件を起こしている。そんな者の意見を取り入れる事はできない」
Aの主張そのものではなくA自身に対して個人攻撃することで反論しているため、対人論証となる。「Aが傷害事件を起こした」という事は、A自身の信用を失墜させる効果はあるが、Aの主張の論理的な正否とは無関係であるため、論理的には正しい反論ではない。
信用と論理的正否は関係がないということ
連座の誤謬
「科学者Bの学説に対し、C教が公式に賛同を表明した。しかしC教は胡乱なペテン集団だ。B氏の学説もきっと信用には値しない」
対人論証の一種
ろくでもない奴に気に入られたものもろくでもない ← こういうの
状況対人論証
「そろそろ新しいデジタルカメラが欲しいって話をC君としたら、D社の新製品を勧められたよ」「C君のお父さんはD社に勤めているんだから、C君がそう答えるのは当然さ。真に受けない方がいい」
このように、「その人がそんな事を言うのは、そういう状況に置かれているからに過ぎない(故に信用に値しない)」というタイプの対人論証を指して、「状況対人論証」と呼ぶ。
その人の発言とその人の置かれた状況に論理性はないってことかsta.icon
自然主義の誤謬
「私達はこれまでずっとこの土地で協力し合って暮らしてきた。だからこれからもそうするべきだ」
記述文(「XはYである」という形式の文)の前提から規範文(「XはYすべきである」という形式の文)の結論を導いている。
isからshouldにすり替えられてるってわけねsta.icon
道徳主義の誤謬
「人間は皆生まれながらに平等であるべきだ。だから能力が遺伝するという研究結果は間違っている。」
規範文の前提から記述文の結論を導く場合に生じる誤謬
この主張は「人を殺してはいけない。だから殺人事件はおこらない(人は殺されない)」と論理構造が等しい
どういうことだこれ?
「倫理として妥当なこともある」的なことが書いてあって首捻ってる
shouldからisを導こうとしているってわけsta.icon
同情論証
「そんなふうに言うもんじゃない。B君がかわいそうだよ」
同時に、かわいそうであるか、そうでないかという論点へのすりかえでもある。
なるほど。すり替えも起きるのか
伝統に訴える論証
「ぜいたくはだめだよ。昔から節約は美徳とされていたからね」
過去が正しいとは限らない
過去が正しかったとしても、今の同じ前提で語れるとは限らない
新しさに訴える論証
「そのやり方はもう古いよ。最新の方法を使うべきだ」
過去が今と変わっているとは限らない
今(最新)が正しいとも限らない
科学の発展や流行の推移、社会事情の変化などで説得力を持たせようとしているが、新しいだけでは根拠にはならない。
権威論証
「人間はBを敬うべきだ。哲学者のCもそう言っているだろう」
あの人が言っているから正しいだろ、は論理的には違う
論点回避
「喫煙者はいつでも禁煙できます。彼に必要なのは禁煙する能力なのです。」
いきなり結論を導いている(いつでも禁煙できる)
その根拠は示されていない or 倒置法で推論を根拠にしている(この例では後者)
禁煙する能力があれば、いつでも禁煙できる
論点先取
「Bさんは勤勉な人だから、仕事を怠けるはずがないよ。」
論理構造としては、「(勤勉な人はすべて仕事を怠けないと仮定する。Bさんは勤勉な人であると仮定する。すると)Bさんは勤勉な人である。故にBさんは怠けない。」「(素晴らしい画家は偉大な画家であると仮定する。ルノワールは素晴らしい画家であると仮定する。すると)ルノワールは素晴らしい画家である。故に偉大な画家である。」仮定の部分の論点を先取り(回避)した論理構成となっている。
ああ、「勤勉な人は仕事を怠けない」「Bさんは勤勉である」という論点の真偽をスルーして、正しいものだと先取りしちゃってるわけか
AはXだからY、が正しいとは限らない
AがXである、が正しいかわかってない
XならばYである、が正しいかわかってない
循環論証
「B君の言っている事は詭弁だ(屁理屈だ・揚げ足取りだ)。だから間違っている。」
論点先取りの一種
Aがこの発言の後に、どのような理由から詭弁(または屁理屈)と言えるのか説明出来なければ、Aの発言は「B君の言っている事は詭弁だ。何故なら間違っているからだ。何故間違っているかというと、詭弁だからだ」と述べているだけの内容となるので、循環論証になる。
わからんsta.icon
どのような形式かと言うと、今、命題をPと表すとして、P1, P2… Pn(nは自然数)がある時に、P1を証明するのにP2を用い、P2を証明するのにP3を用い、といったように証明を進めて、Pnを証明するのに(証明したと思いつつ)P1を使ってしまうような形式、論の進め方のことである
これはわかる
「『ハムレット』は名作である。なぜなら『ハムレット』は素晴らしい作品だからだ」といった言明は循環論法である。
わからん
ハムレットは名作である = P1
ハムレットは素晴らしい作品である = P2
P1を証明するのにP2を使っている
---- ここまでだよね ----
P2を証明するのにP1は使ってなくない?sta.icon
P2の証明については何もコメントしていない
循環してなくね?
また、日本国憲法が日本の法体系における最高法規であるとする根拠が、日本国憲法第10章に記載されている事例も循環論法である。
日本国憲法が日本の法体系における最高法規である = P1
日本国憲法第10章には、日本国憲法が最高位である旨が書かれている = P2
P1を証明するのにP2を使っている
P2を証明するのに
P2は命題じゃない
命題になるように書くにはどうしたらいいんだ?
「第10章にて指定された対象は最高位である」?
としても、「第10章にて指定された対象は最高位である」のはなぜか、の根拠P3がここでは言及されてない
循環してねえじゃん
code:ここまでしか言ってねえじゃん
P1 ---> P2
code:循環はここまで言ってこそだよね?
P1 ---> P2
^ |
| |
+--------+
とりあえず循環したらアウトとだけ覚えておこうsta.icon
含みのある言葉
論点先取の一種
A「私達は、罪なき善良な社会的弱者により一層の苦痛と不幸を強いるだけのB知事の冷酷で残酷で無慈悲で恥知らずな政策に、知性と良識ある善人なら当然そうするように反対の意を表明しました。」
B「今般の軍事作戦により、我が国はかつての海外領土を回復した。なんと素晴らしい事ではないか!」
C「現状の国難を打開するには大人の成熟した判断が必要とされる」
読み手(聞き手)に話題・論題への先験的な感情を惹起させようとする文章を言う。論理性ではなく「語調」に頼った主張を、loaded language(または emotionally charged words)と呼ぶ。
先験的って言葉がポイントなのかなsta.icon
経験則として「たしかに」「ありそう」と思わせるような言葉を混ぜ込んでいる
例Aのように感情的・攻撃的・侮蔑的な形容句で装飾された文章のみを指すものではなく、常用語を用いた文章も含む。
たとえば例Bは「獲得・征服」ではなく「回復」という言葉で獲得した領土が本来自国に帰属するものだったと思わせようとしており、
例Cでは「大人・成熟」という術語を用いることで根拠なく「反対者は子供っぽい意見の持ち主だ」と先験的な価値判断(ラベル・レッテル)を貼っている。
深いな
こんなんパッと紛れ込ませられてもわからねえ……
正確なニュアンスと、そのニュアンスが妥当であるかも見なきゃいけないわけねsta.icon
「回復というと、元からあったものが戻ったというニュアンスですけど、元からあったんでしたっけ?」
あとは修辞系は「それ、あなたの感想ですよね?」sta.icon
脅迫論証
「黙って私に従えないなら、ここから出て行け」(※「裁判所法第七十一条(法廷の秩序維持)の規定に従い、法廷の秩序を乱す者は、ここから出て行け」 )
Aの発言は、「あなたがXしないなら、私はYをする。故にあなたはXすべきである」という形式の推論で、脅迫論証という。
誤った二分法でもある
Aの脅迫論証は「お前がすべき事は黙って私に従うか、ここから出て行くかのいずれかである。しかし、お前は黙って私に従わない。故にお前はここから出て行くべきである」という論旨なので、脅迫論証であると同時に「誤った二分法」(前述)にもなっている。
従うか出ていくかの二者を仮定してしまっている
「私がAをしているのはBのせいなんです(だからAをしてほしくなければBをやめろ)」
直接括弧内も主張した場合は、脅迫論証になっちゃうわね
多数論証
「B君も早くCを買うべきだ。もう皆そうしている」
皆がしているからといって正しいとは限らないsta.icon
脅迫論証と見ることもできるようだ
むしろこの論理は、多数派に属しないと不利になるという脅迫論証の一種といえる。
多重尋問
「(万引きをした事が明らか、ではない人に対し)もう 万引きはやめたの?」
「はい」と答えれば、過去に万引きをしたと認める事になり、「いいえ」と答えれば、現在も継続して万引きをしていると認めた事になってしまうので、万引きをした事が一切無い人にとっては、どちらで答えても不都合な結果になる恐れがある。これは、この多重尋問がこれまでに 彼が万引きをしていた事を暗黙の前提としているためである。