タスクの所要時間の見積もり方
タスクの所要時間の見積もり方yosider.icon
基本的には「見積もる」「実際かかった時間を記録する」「振り返る」を繰り返していくことで精度を高めていくしかない。プログラマーがコードを書き続けたり、絵師が絵を描き続けたり、アスリートが身体を動かし続けたりしているわけだが、同様に、ビジネスマンやナレッジワーカーもタスクを見積もり続ける。そう、「鍛えられる」とでも言うべき領域であり、一朝一夕ではないのだ。
手法については、タスクを記述しやすいツールを使うと良い。
私はもっぱらテキストエディタ + プレーンテキストである。1行1タスクで書き並べ、所要時間も書き込み、合計時間などは手で計算する。計算しやすいよう、所要時間はラフに取る(5, 10, 30, 60……)。
私が属するSIerでは、Excelを使う者が多い。1行1タスクを並べ、かつ所要時間フィールドも愚直に記入させて厳密に計算させる。WBSもよく使われる。が、私が見る限りでは、管理という作業に忙殺されていたり、それが目的になって本末転倒になっていたりと残念にしか見えない。
これはあまり知られていないが、見積もり時の「書く作業」には時間をかけてはいけない。時間をかけずにさっさとできないと、面倒くささにくじけてしまう。人間は怠け者だ。このような作業に長時間耐えられるようはできていない。唯一の例外が、その作業自体を目的化してしまうことである。SIerの連中がまさにやっていることだ。悲しいことである。
タイムトラッキングツールを使うのも良いだろう。TogglやTaskChuteファミリーが知られているであろうか。ルーチンタスクメインだがルータムもある。私はTritaskをつくっている。いずれにせよ、タスクごとに所要時間、開始時間、終了時間を記録するというものだ。終了 - 開始により実際にかかった時間がわかる。これを所要時間と比較するわけだ。パラメーターが三つもあって面倒くさいのだが、慣れればサクサクと記録できる。慣れるまでが大変だが、この点は前述のとおりだ(鍛える世界)。 テクニックなり考え方なりは多数あるから、いくつか取り上げておこう。
1 全部記録せよ。起床から就寝まで、可能な限り生活のすべてを記録(見積と実績)せよ。というのも、あなたのパフォーマンスはあなたの生活と体力に左右される。極端な話、起床時のあなたと就寝前のあなたとではパフォーマンスは違うだろう。全部記録し、それを見返しながら振り返ることで、あなたは「この時間帯の私はこれくらいのパフォーマンスが出るから……」のような直感を得ることができる。所要時間の見積もりにも正確に反映できる。たとえば私の場合、Aという第一章執筆タスクは、朝行うのであれば45分と見積もるが、夜行う場合は90分や120分にするだろう。
2 分解せよ。タスクはできるだけ細かく分解した方が良い。その方が本質的にシンプルになり見積もりしやすくなる。極論、「レポート完成させる」よりも「参考文献欄を完成させる」の方が見積もりやすいし、「参考文献欄に乗せる文献を列挙しきる」のほうがさらに見積もりやすい。そんな風に、小さなタスクに分解しきって、それらを正確に見積もることができれば、全体レベルの見積もりもそれなりの精度になる。ボトムアップである。とはいえ、全体には部分の和を超えたコストがかかるため、現実はそうもいかない。どこまで分解すれば最適なのか、というラインは人次第であるため、あなた自身で模索することになろう。
3 品質の妥協と決定を心がけよ。タスクのゴールは、実は(提出する段階では)こちらで決められることが多い。要するに何%の品質で出すかという話だ。100%に出して出すのと、70%で出すのとでは、後者の方が所要時間が少ない。そして、ここが大事なのだが、後者の方が見積もりやすい。雑に仕上げる程度の品質で良い、とした場合、やることはそんなに多くない(ちゃんと仕上げる場合と比べれば)ため、見積もりやすいのだ。それこそ「30分 x 4 で、2時間くらいかけてできたところまでで良いか」とベストエフォートで済ませられることもままある。
4 いったん終わらせよ。3と絡むが、タスクをそれなりの品質で済ませて、さっさと終わらせてしまう(提出が必要なら提出までする)――そうすればいったん終わらせることができる。ボールという言葉を使うと、ボールをいったん相手に渡すことができるとでも言える。あるいは自分で完結したタスクの場合、ボールをいったん手放して休憩できるとでも言えるか。いずれにせよ、さっさと手放して、手を空けることが大事である。自分で抱え込みすぎるのは良くない(相談しなさい)とはよくいうが、タスクについても同じことが言える。抱え込みすぎるのは良くない。さっさと終わらせなさい。
🤔
KKD +αくらいしか言えていない
が、テクニックを網羅するのも違うしなぁ
落とし所悩む