KJ法とタロット占いは似ている
もうひとつ、川喜田二郎氏が残した重要な言葉として『土の香りを残せ』があります。これは「抽象化しすぎるな」という意味ですが、つまりデータの「個性」を尊重しろと言ってるのです。もちろん「データが語りかける声」として何をキャッチアップできるかは人によって違うでしょう。正解もありません。しかし、いくら虚心になっても、自分のなかに残る「こうなんじゃないかと思う感覚」があるはずです。ロジックや既存の枠で説明はできないけれど、なんだか気になる。この部分にこそ、新たな視点を生み出すきっかけがあるのです。そして、これこそがKJ法の面白さ! このデータの声を聞く行為は、実はタロット占いにも似ています。78枚のタロットカードには、それぞれ様々な意味があります。同じカードでも人によって解釈が異なるのです。カードを引いた後は、静かにカードを眺め、語りかける声に耳をすまし、自分なりの言葉として吐き出していきます。そこで出てくるのは唯一解ではありません。あくまでも目指すと良いとされる「方向性」を示すものなのです。ここもKJ法と占いの共通点といえるでしょう。 そうか、タロット占いもカード達を見て自分で「解釈」するものなのかsta.icon