研究の全体構想(version1)
テーマ:体育授業における合意形成の検討:コンセンサスとアコモデーションの相違に着目して
研究全体の問い:合意形成をコミュニケーションによって知識創造がなされる場として捉えた際に体育授業では、一体どう(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)合意形成がなされているのだろうか?その上で、どうやったらもっと豊かな合意形成が行われる授業デザインができるのか、そのために大事な条件とは何になるのか?
(問い①)
教師や子どもたちは、スポーツをめぐる合意形成ということに関してどのように意識しているのだろうか?
仮説1 対立したときに、どちらかに決めるというイメージをもっており、新たな知識を創造するための合意形成ということは、あまり意識がされていない。
仮説2 運動・スポーツをめぐる戦術や技術には絶対的に正しい解があるという認識に立っており、合意形成という言葉をあまり意識したことがない。
問い②(理論的検討)
体育授業において運動・スポーツの意味や価値を共有しながら学習を深めるために,授業内での相互行為をいかに捉えれば良いのか?
授業内での相互行為を運動・スポーツの「モノ」に関わるリアリティレベルのコンセンサスと「コト」に関わるアクチュアリティレベルのアコモデーションに整理する捉え方を提示することができた。この捉え方を用いることで体育授業において運動・スポーツの意味や価値に同意を求めたり,コンセンサスやアコモデーションをしたりするといったような合意形成をめぐる相互行為のあり方を整理することを可能としたのである。
子どもたちは体育の授業内で個人種目を経験する際にどのように(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)合意形成をしているのだろうか?
合意形成という概念については、引き続きコンセンサスやアコモデーションという考え方を用いる。
分析する方法としては、複線経路等至性アプローチを用いる。
A児、B児、C児、D児
問い④(実証的検討)
子どもたちは体育の授業内で集団種目を経験する際にどのように(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)合意形成をしているのだろうか?
問い⑤(実践的検討)
どうやったらもっと上手く知識創造としての合意形成が豊かに行われる授業がデザインできるのか、そのために大事な条件とは何になるのか?