デザインの知恵
デザインの知恵 情報デザインから社会のかたちづくりへ
フィルムアート社
2019年4月
デザイナーにとってスケッチとは、思考の結果を表す行為ではない、そうではなく、豊かな創造が起きる知覚の対象を自分の目の前につくりだす行為なのだ。それゆえに、膨大な枚数のスケッチをデザイナーは描く。(p.269)
デザイナーのスケッチは、デザインの問題を表現するもの、問題の解を表現するもの、問題を解にむすびつける分析や統合などの考察を知覚の対象となるよう表現したものなど多様である。これらの表現が、当の表現者自身にとっての知覚の対象となり、多様な知覚群に新たな創造が喚起されるのである。
表現する行為がなければ、知覚の対象は「すでにその世界に在るもの」だけになる。デザイナーはそれら既存の対象にとどまらず、常に新たな表現をつくり出すことで、未知の対象を眼前に現出させる。そして自らが表現した未知の対象を見ることで、発見と気づきという創造の源を手に入れる。(p.270)
デザインとは
デザインとは、作り出す道具や環境やサービスと、それを利用する人たちとの豊かなかかわり合いを構想し、そのかたちを描き、それらの道具や環境、サービスに、人工物としてのかたちやふるまいを与える仕事であると言える。(p.22)
デザインにおいて、
須永先生はデザインの過程で大量にスケッチを作り出すことに注目する。
表象(分析、統合)に媒介されるところもあるが、表現する行為に興味
表象によって媒介される仕組みの解明に興味