非反射性は正規様相論理で定義出来ない
Thm:
非反射的なKripkeフレームのフレームクラスは標準的な様相論理式で定義出来ない.
Proof:
Kripkeフレーム$ \mathcal{F}_1,\mathcal{F}_2を次のように定める.
$ \mathcal{F}_1 \coloneqq \lang \{0,1\}, \{(0,1),(1,0)\} \rang
$ \mathcal{F}_2 \coloneqq \lang \{0\}, \{(0,0)\} \rang
$ f: \mathcal{F}_1.W \to \mathcal{F}_2.Wの唯一の写像とする.すなわち$ f(0) \mapsto 0, f(1) \mapsto 0
このとき,$ fは$ \mathcal{F}_1から$ \mathcal{F_2}への全射p-morphismである.
もし非反射性がある論理式集合$ \Gammaによって定義可能であるなら$ \mathcal{F}_1 \vDash \Gammaだとしても$ \mathcal{F}_2 \nvDash \Gammaとなる筈.
$ \mathcal{F}_2は非反射性でないフレームの例
ところが以下の補題より$ \mathcal{F}_2 \vDash \Gammaである.よっておかしい.
lemma: p-morphism$ \cal Fから$ \cal F'への全射p-morphismが存在するなら$ \mathcal{F} \vDash \varphi \implies \mathcal{F}' \vDash \varphi
Solution
非反射性を様相論理として扱いたいという場合
Hybrid LogicのようにNominal様相を追加すると扱うことが出来る.
References
数学における証明と真理 様相論理と数学基礎論
様相論理における非反射的フレームクラスの定義不可能性(外部記事)