Oreyの定理
証明述語$ \mathrm{Proof}_T(x,y)を一つ固定する. $ \varphiを$ \Pi_1文とし,$ \mathcal{N} \models \varphiかつ$ T \vdash \varphi \to \mathrm{Con}_Tとする.
このとき,別の証明述語$ \mathrm{Proof}'_T(x,y)が取れて,$ T \vdash \varphi \leftrightarrow \mathrm{Con}'_T. 意義
例えば,$ Tを$ \mathsf{PA},$ \varphiを$ \mathrm{Con}_\mathsf{ZFC}とする.
理論としての強さは$ \mathsf{PA} \leq \mathsf{ZFC}なので,$ \mathsf{PA} \vdash \mathsf{Con}_\mathsf{ZFC} \to \mathsf{Con}_\mathsf{PA}が言える.
$ \mathcal{N} \vDash \mathrm{Con}_\mathsf{ZFC}なら,Oreyの定理より,$ \mathsf{PA} \vdash \mathrm{Con}_\mathsf{ZFC} \leftrightarrow \mathrm{Con}'_\mathsf{PA}となるような証明述語が取れる.
つまり
素朴には無矛盾性の強さが違いそうな$ \sf PAと$ \sf ZFCであっても,その形式的無矛盾性に関しては算術化の方法によっては$ \sf PA上で同値になることもある.
あるいは無矛盾性の強さが同じであっても,その形式的無矛盾性は同値にならない,ということもある.
形式的無矛盾性の強さは算術化の方法に強く依存する,ということを意味している.
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