Gödel文
定義
理論$ TのGödel文とは以下を満たす$ \Pi_1文$ Gのことである.
$ \mathsf{PA} \vdash G \leftrightarrow \lnot\mathsf{Pr}_T(\overline{\ulcorner G \urcorner})
Gödelの不動点補題より理論$ Tには少なくとも一つは存在することが保証される.
重要な性質
無限個存在する.
全てのGödel文は自己の無矛盾性を表す文と同値.
任意の$ TのGödel文$ G,G'に対し$ T \vdash G \leftrightarrow G'
帰結
Gödelの第1不完全性定理は
$ Tが無矛盾であれば$ T \not\vdash G
$ Tが$ \Sigma_1健全であれば$ T \not\vdash \lnot G
両者を合わせて,
$ Tが$ \Sigma_1健全であれば$ T \not\vdash Gかつ$ T \not\vdash \lnot Gを主張する.
より大雑把に言えば,$ Tが$ \Sigma_1健全であれば証明も反証も出来ない文が存在する.ということを主張する.
Gödelの第2不完全性定理は
$ Gは理論$ Tの無矛盾性を表す文(具体的には$ \mathrm{Con}_T \equiv \lnot \mathrm{Pr}_T(\ulcorner \bot \urcorner)Löb無矛盾文)と同値である.そのため
$ Tが$ \Sigma_1健全であれば$ T自身の無矛盾性は証明も反証もできないということを主張する.