Gödelの第2不完全性定理の証明旧版
メモ
古いし,多分間違っている.
目標
以下を示す.
Gödelの第2不完全性定理: 体系$ \mathscr{S}がω無矛盾であるなら,$ \mathscr{S}が無矛盾であるということを意味する$ \mathscr{S}の論理式$ \mathrm{Con}(\mathscr{S})は$ \mathscr{S}で証明可能ではない. 参考文献
TODO
$ \mathrm{Formula} \lbrack \overline{x} \rbrackが表現可能であることの証明
$ \mathrm{IT}_1が$ \mathscr{S}で証明可能であることの証明
体系の無矛盾性を次のように定める
$ \mathscr{S}において$ Aと$ \lnot Aが両方証明可能な論理式$ Aが存在しないとき,体系は無矛盾
逆にそのような$ Aが存在するなら$ \mathscr{S}は矛盾している
ところで,$ \mathscr{S}に爆発律が備わっているなら,$ A \land \lnot Aから任意の論理式$ Bが証明出来る. すなわち,$ A \land \lnot A \vdash_{\mathscr{S}} B
逆に言えば,
$ \mathscr{S}に爆発律が備わっていながら証明できないような論理式$ Pが存在するなら,少なくとも矛盾はしていないことがわかる.
記号の準備
$ xを自然数とする.
$ xが$ \mathscr{S}の論理式の符号であることを表現する論理式を$ \mathrm{Formula} \lbrack \overline{x} \rbrackとする.
この論理式が存在することの証明は省略する.
$ xが$ \mathscr{S}で証明可能な論理式の符号であることを表現する論理式$ \mathrm{Provable} \lbrack \overline{x} \rbrackとする.
体系$ \mathscr{S}が矛盾していないことを$ \mathrm{Con}(\mathscr{S})と表すとする,
上記より,$ \mathscr{S}には爆発律が備わっていると仮定すれば,
$ \mathrm{Con}(\mathscr{S}) = \exists \bar{x}.( \mathrm{Formula} \lbrack \overline{x} \rbrack \land \lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{x} \rbrack)
が成り立つ.
Gödelの第一不完全性定理: 無矛盾な体系$ \mathscr{S}で,$ Gも$ \lnot Gも証明出来ないような文$ Gを構成可能.
この$ Gについて,次の事実が存在する.
補題1: $ Gが証明可能$ \iff$ \lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{ \ulcorner G \urcorner } \rbrackが証明可能
この定理を体系$ \mathscr{S}の中で表現する論理式$ \mathrm{IT}_1とは
$ \mathrm{IT}_1 = \mathrm{Con}(\mathscr{S}) \to \exists G. \lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G \urcorner} \rbrack
今,$ \mathrm{IT}_1が$ \mathscr{S}自身の中で証明可能だったとする.
TODO: 証明
$ \mathrm{Con}(\mathscr{S})が$ \mathscr{S}で証明可能であったとする.
$ \mathrm{IT}_1より,$ \exists G.\lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G \urcorner} \rbrackが$ \mathscr{S}で証明可能である.
$ \mathscr{S}のω無矛盾性より,その条件を満たす$ G_0が存在する.
すなわち,$ \lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G_0 \urcorner} \rbrackは$ \mathscr{S}で証明可能
また補題1より,$ G_0が$ \mathscr{S}で証明可能である.
すなわち,
$ G_0の証明の符号を表す自然数$ y_0が存在して,
$ \mathrm{proof}(\ulcorner G_0 \urcorner,y_0) = 0が成り立つ.
表現可能性より,$ \mathrm{Proof} \lbrack \overline{\ulcorner G_0 \urcorner},\overline{y_0},\overline{0} \rbrackが$ \mathscr{S}で証明可能
定義より,$ \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G_0 \urcorner}\rbrackも$ \mathscr{S}で証明可能
$ \mathscr{S}は無矛盾であるので,$ \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G_0 \urcorner}\rbrackも$ \lnot \mathrm{Provable} \lbrack \overline{\ulcorner G_0 \urcorner} \rbrackも$ \mathscr{S}で証明可能であることは無矛盾性の前提に反する.
したがって,$ \mathrm{Con}(\mathscr{S})は$ \mathscr{S}で証明可能ではない.
纏めると,
Gödelの第2不完全性定理: 体系$ \mathscr{S}がω無矛盾であるなら,$ \mathscr{S}が無矛盾であるということを意味する$ \mathscr{S}の論理式$ \mathrm{Con}(\mathscr{S})は$ \mathscr{S}で証明可能ではない.