荒川修作
死や感覚の可能性に興味がある
現代美術家、荒川修作。広大な敷地に傾いた建物やいすなどを配置した「養老天命反転地」など身についた体の感覚や常識を問い直す作品を発表し、「世界のアラカワ」と高く評価された。1936年名古屋市生まれ。戦時下で幼少期を過ごし、多くの死に接したことが動機となって、芸術の道に進んだ。20代からはニューヨークを拠点に詩人のマドリン・ギンズと共に活躍。「人は日常と異なる環境で身体感覚を再構築することで、新しい文明を開くことができるのではないか」と考え、「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(岡山県)、「養老天命反転地」(岐阜県)、「三鷹天命反転住宅」などをその実践の場として制作した。社会に新たな価値観を生み出そうと挑み続けた荒川の作品に込めた思いが語られる。