アーツ・アンド・クラフツ運動
1880年代のヴィクトリア朝の時代から始まった。産業革命が進み、大量生産により安価だが、粗悪な商品があふれていた。モリスはこうした状況を批判して、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した。モリス商会を設立し、装飾された書籍(ケルムスコット・プレス)やインテリア製品(壁紙や家具、ステンドグラス)などを製作した。 モリス商会の製品自体は結局高価なものになってしまい、裕福な階層にしか使えなかったという批判もある。しかし、生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想は各国にも大きな刺激を与え、アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派、ユーゲント・シュティールなど各国の美術運動にその影響が見られる。アメリカ合衆国にもアーツ&クラフツ運動はあった。イリノイ州のシカゴがアメリカにおける運動の拠点で、建築家の フランク・ロイド・ライトも創立者の一人であったし2、ミシガン州にあるクランブルック・アカデミー・オブ・アートの創設者であるジョージ・ゴフ・ブースも運動の推進者であった https://scrapbox.io/files/68186c77dc02641b46efe35a.png
アーツ・アンド・クラフツ運動
以前に紹介をした、のちに世界に広がる「アーツ・アンド・クラフツ運動」もレッドハウスから始まったと言われています。 大量生産の粗悪品が溢れている社会への気づきを持ったモリスが、芸術家の仲間たちと共に、細部に至るまでをオリジナルで作り上げたレッドハウスが生活に豊かさを感じる空間となり運動の原点になりました。
1961年にはレッドハウスの建築が発端となり、ロセッティ、バーン=ジョーンズ、ウェッブら仲間と共に室内装飾品を製作販売するモリス・マーシャル・フォークナー商会(後の1875年にモリス商会となる)を設立しました。
手工業者の労働に対する尊厳を取り戻し、作る人にも消費者にも豊かさや喜びが与えられるべく芸術と生活を融合するというモリスの思想が、形になるきっかけとしてレッドハウスの存在は欠かせなかったといえます。