アーツ・アンド・クラフツ運動
1880年代のヴィクトリア朝の時代から始まった。産業革命が進み、大量生産により安価だが、粗悪な商品があふれていた。モリスはこうした状況を批判して、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した。モリス商会を設立し、装飾された書籍(ケルムスコット・プレス)やインテリア製品(壁紙や家具、ステンドグラス)などを製作した。 モリス商会の製品自体は結局高価なものになってしまい、裕福な階層にしか使えなかったという批判もある。しかし、生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想は各国にも大きな刺激を与え、アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派、ユーゲント・シュティールなど各国の美術運動にその影響が見られる。アメリカ合衆国にもアーツ&クラフツ運動はあった。イリノイ州のシカゴがアメリカにおける運動の拠点で、建築家の フランク・ロイド・ライトも創立者の一人であったし2、ミシガン州にあるクランブルック・アカデミー・オブ・アートの創設者であるジョージ・ゴフ・ブースも運動の推進者であった