Gagosian
ガゴシアン(Gagosian): 世界有数のギャラリーネットワークで、ブランディングと発信力で群を抜いています。上述の季刊誌発行に加え、ウェブサイトやSNSでも洗練されたビジュアルと言葉遣いで統一されたトーンを維持しています。さらにショップ展開や有名アーティストとのコラボイベント(アーティストによる店舗ジャック企画など)を通じて話題を創出し、一般層にもリーチしています。美術品そのものだけでなく書籍やグッズといった周辺アイテムを扱いブランド体験を多角化している点も特徴です。こうした取り組みが奏功し、ガゴシアンは「アート業界のラグジュアリーブランド」として確固たる地位を築いています。
ガゴシアン・ギャラリーは、ラリー・ガゴシアンが所有、運営している現代美術の画廊である。おもに近代美術と現代美術の作品や作家を扱っている。現在、世界中に13のギャラリーとショップ(現在もポスター販売をしている)がある。年間売上高約10億ドルを誇るラリー・ガゴシアンは、今年もさまざまな画廊経営で最高の収益を叩き出している。
カリフォルニア大学卒業後、大学周辺にて2ドルのポスターを15ドルで売り歩いたのがビジネスの始まり。1980前半にアートの転売ビジネスの可能性を追求し、『GO-GO』とのニックネームにて積極的に売買を繰り返し業界内での存在感を増した。当時のビッグアートコレクターであった、ダグラス・S・クレイマー、エリ・ブロード、キース・バリッシュらとともに取扱アーティスト、作品の価格を意図的に押し上げ、また美術館レベルの展示会を開催し業界内で評判をあげた。
1980年中盤にニューヨークに初のギャラリーを設立し、安定のあるスーパー・アートコレクターとともに美術業界を活性化させる。1988年時にジャスパー・ジョーンズの作品『FalseStart』を17億円にて落札し、生存する作品価格の過去最高値を付け話題をさらった。