2018シラバス「演習II・演習III・演習IV(司法試験論文)」
科目名:演習II・演習III・演習IV(司法試験論文)
科目ナンバー:
単位数:4
配当年次:2・3・4年次
テーマ・概要
テーマ:「論述するチカラ」を基礎から磨きます。その素材として司法試験または予備試験の論述式問題(民法)を使います。
文系の学生が在学中に身につけるべき最も重要なスキルは、文章表現力です。自分の思考や相手の問いに対する的確な答えを、相手に伝わりやすい論理的な文章で表現するチカラです。就活、仕事からラブレターまで、文章力が人生を左右すると言っても過言ではありません。
このゼミでは、実際に文章を書く訓練をすることによって、そのチカラを基礎から磨いていきます。文章を書くのが苦手な人も、繰り返し文章を書いてみることによって、文章力が身についていくことでしょう。素材として、司法試験の過去問を使いますが、弁護士、裁判官、検察官を志望する者はもちろん、司法書士、弁理士、国家公務員といった資格試験等の受験志望者、そして論述力を磨きたいすべての学生の履修を歓迎いたします。
「演習IV」及びLEコースの「演習III」で卒業論文を執筆する必要がある人については、1年間に起案した全答案の完成版をもって、卒業論文といたします。1年かけて少しずつ卒業論文を書いていくことになります。
到達目標
DP2(課題の発見と解決)、3(他者との協働)、4(自発性、積極性)、5(表現力、発信力)、6(専門分野の知識・理解)、7(法的素養に裏打ちされた判断力)を実現するため、次の3点を到達目標とする。
① 問題文の法的意義を読み取り、条文を体系的に解釈し、事実に適用して事案を法的な解決に導くことができようになる。
② 論理的な文章表現と口頭表現ができるようになる。
③ ゼミ生全員で協力して議論を進め、課題の発見と解決を導けるようになること。
授業の計画と準備学修
第1回〜第30回
授業の計画・内容:司法試験論述式問題(民法)の過去問の論述と検討(問題はその場で考えていただくため、ここには記載いたしません。)
準備学修(予習・復習等):与えられた問題に対する解答を各自起案(論述)してくること、起案した内容に関して論文や判例を調査すること、および必要に応じて問題点を班ごとにサブゼミ(グループワーク)
準備学修の目安(分):各自が起案に要する時間+班ごとに90分以上
授業の方法
ゼミは2年生(演習II)、3年生(演習III)、4年生(演習IV)が合同で行います。
まず最初に過去問の1問について論述答案を起案します。そのあと、2、3、4年生混成の班を作り、翌週までに各班で問題点を検討。翌週、各班の見解を報告しあい、議論をしながら新たな課題を発見して、さらに論述を続けます。各自が起案した論文に対しては、メンバ同士で互いにコメントを書き込みます。その繰り返しです。
その過程で、問題文の読み取り方、条文の読み方、解釈の仕方、法的三段論法の論じ方、そして文章表現力を磨きます。起案とコメントにはオンラインの作文システム「」を使います。 「?」と「!」の循環を探訪しながら自己の価値観を磨き、真理を探究していくのが学問です。ゼミの友は一生の友。普段のゼミの他、ゼミ合宿、裁判所見学、お食事会等、みんなで企画し、楽しく充実したゼミにしましょう。
なおタバコの煙は他者の健康を害しますので、当然のことながらゼミの活動は本ゼミ、サブゼミ、食事会、合宿やイベント等も含め完全に全面的に完全禁煙です。
成績評価の方法
毎回の課題を起案して参加することが絶対条件です。その上で、 ゼミというコミュニティーに対する「貢献=コントリビューション」を評価して成績を付けます。ゼミに対してプラスに作用する働きかけはすべて貢献です。
班の仲間とともに十分に準備し、ハンドアウト(文章表現、図解表現、論理表現)を作成し、プレゼンし、自発的、積極的に考えてアイディアを発言し、疑問を呈し、他者の見解をより良くするアイディアを出し、根拠となる資料を探し出し、その意味を解明するなど、議論を面白く発展させていくことはすべて大きな貢献となります。そのほか、ゼミを楽しくし、人間関係を深めて、互いの成長に寄与していくことが本質的に重要です。そのために、ゼミの運営に主体的にかかわり、ゼミやサブゼミを活性化し、各種の企画などをすることによって、いろいろな貢献ができます。成績は、それら一人一人の貢献を総合的に評価します。
「演習IV」及びLEコースの「演習III」で卒業論文を執筆する必要がある人については、1年間に起案した全答案の完成版をもって、卒業論文といたします。1年かけて卒業論文を書いていくことになります。
成績評価の基準
成蹊大学の成績評価基準(学則第39条)に準拠する。/ Grades in the course are based on the criteria of Seikei University Regulation No.39.
必要な予備知識/先修科目/関連科目
テキスト
法令集。例えば、
信山社『法学六法 2018』(1,000円+税)
第一法規『法科大学院試験六法[2018年度入試対応版]』(1,200円+税)
参考書
金子宏・新堂幸司・平井宜雄編『法律学小辞典<第5版>』有斐閣(又はそのアプリ)
池田眞朗『スタートライン債権法』日本評論社
池田眞朗『スタートライン民法総論』日本評論社
その他、 ゼミの進捗に合わせて、図書館にあるたくさんの資料を使います。
質問・相談方法等(オフィス・アワー)
ポータルサイトで周知する。