なぜ、ふりかえりが大事なのか
私見です。
「なぜ、ふりかえりをするのか?」と聞かれてもパッと答えられてない気がしたので、書いておこうと思いました。
前提として、不確実性の高い正解の無い仕事をしている
誰も正解を知らないので、競合よりも早いスピードで学習を重ねて最適化していくことが優位性につながる
言い換えると、学習が止まると競合に置いていかれ、将来的には食いっぱぐれることになる
このとき、職能などに別れてふりかえりをしていると全体最適ではなく部分最適に近づいてしまう
視点によって見えるものは違うので、プロダクトにとって必要な多様な視点を取り入れることが重要(=職能横断的にやりましょう)
例えば、単に「仕様が複雑」という課題も、エンジニアだけだと「実装を工夫して簡単にする」ことに執着してしまいがちだが、プランナーの視点からだと「先方と調整して仕様を単純にする」というアイデアも見えてくる
同様に、開発プロセスなどについても複数の視点を入れることで全体最適に近づいていくでしょう
学習を重ねるための手段としてふりかえりが有効
なぜふりかえりが有効なのか
話し合うことで、相互創発的な発展が期待できる・チームの既存のメンタルモデルと向き合い、更新できる
個人としての学習ではなく、チームとしての学習やプロセス改善につなげることができ、改善の幅が大きい
ふりかえり以外に何か良い手法があればそれでも良いけど、今の所知らない
ふりかえりのふりかえりをするタイミング
学習につながらないふりかえりは意味がないので、そういう場合はふりかえりをやめるのではなくふりかえりをふりかえる
ふりかえりの中でふりかえりをふりかえっても良いし、ふりかえりをふりかえるためのふりかえりを設定しても良い
フェーズによってふりかえりの仕方は変わる
フェーズによってチームが取り組むべき課題の傾向は変わってくるため
チーム形成の初期: 短期的に改善できる課題が多く、長期的に改善できる課題は見えづらい
形成初期はチームの意思統一が十分でなかったり考慮の抜け漏れがあるだけのことが多く、そうした課題は短期的に改善できる場合が多い
そうした状況ではふりかえりの中でアクションプランまで考えきる形式で成果を出しやすい
短期的な改善を繰り返すことでチームの状況はどんどん変わっていくため、長期的に改善できる課題は見えづらい
いわゆるシングルループ学習
チーム形成の後期: 短期的に改善できる課題は少なく、長期的に改善できる課題が残っている
短期的な改善を繰り返した結果チームが安定してきており、長期的な改善が必要な課題が残っている状態になりやすい
ふりかえりの中でアクションプランまで考えきる形式は、長期的な改善が必要なのに短期的な改善をしようとしているのでミスマッチ
なので、ふりかえりでは課題を明らかにしたりアクションプランのアイディアを集めた上で優先度をつけて課題のリストに追加していきふりかえりの外で定常的に改善リソースを割く方が長期的な改善はうまくいきやすい
いわゆるダブルループ学習
しかし、こうした活動を実現するためには職能横断的に様々なナラティブを持ち寄ってチームに対してメタな認知を得ることが重要になったり、長期的なリソースを割いていくことに対して合意できる必要があるため、指揮統制型のチームではなくいわゆる自己組織化されたチームでないと実践が難しい
ので、実践する場合はその手前に自己組織化モードへの移行が求められる