低性能でも使える仕事術を探す
👉低性能の仕事術
ここまで低性能の定義と人生戦略を見てきた。
いよいよ仕事術自体の紹介に入る――と言いたいところだが、不毛だ。
結論: 自分が使えそうな仕事術を自分で探すのが良い。
以下が存在する:
1 まず仕事術は本質的に個人的なものである
誰かの仕事術が自分にも役に立つとは限らない
他人には役に立たないが、自分にだけは役に立つ仕事術もある
2 次に低性能は性能というボトルネックがあるため、有用な仕事術があったとして使えるとは限らない
たとえば時間術を駆使すれば、生活に転がる「スキマ時間」のすべてを有効活用して、従来より +1 時間くらいは作業時間が増えるだろうが、そもそも低性能は毎日定時間の労働さえ厳しいほど性能が低い。そんなに時間を確保したところで活用できない
ゆえに低性能は、巷の仕事術を紹介されたところで「自分に合うかわからない」し、「良さそうでも性能が足りなくて使う機会がない」可能性がそれなりに高い
一方で、仕事のやり方・考え方次第で従来よりも上手くいく可能性があるのも事実で、何もしないのももったいない
折衷案としては、自分に合ってそうな仕事術を自分で探して、手にとって使っていく――という模索の営みとなる
そういうわけで、ここでは仕事術を模索する方法を紹介する。
これを仕事術の探索と呼ぶことにしよう。
仕事術の探索:
1: 仕事術を集める
2: 集めたものから(or 集めながら)、「ほしいもの」をメモしていく
3: メモしたものの中から深堀りしたいものを選び、深堀りする
4: 行動する
1: 仕事術を集める
仕事術が集まっている場所や詳しい解説を眺める。
キーワードとしては「仕事術」「自己啓発」「ビジネス書」などが使える
例:
Amazonなど書籍の売れ筋
Amazon.co.jp 売れ筋ランキング: 仕事術・整理法 の中で最も人気のある商品です
Amazon.co.jp 売れ筋ランキング: 自己啓発 の中で最も人気のある商品です
書店のビジネス書コーナー
Wikipedia
自己啓発 - Wikipedia
生成AIに「仕事術を20個挙げて」など挙げさせる
Google検索をして上の方に出てきた記事
仕事の効率を上げる8分野16個の仕事術
1時間の仕事を15分で終わらせる仕事術
2: 集めたものから(or 集めながら)、「ほしいもの」をメモしていく
直感で良い。
仕事術は良く言えば「どうとでもなる」「どうにでもできる」世界なので、ハードルは低くした方がいい
直感でビビッときたもの、好きなもの、前々から気になっていたもの、明らかに必要そうなもの etc
目についたものを素直に選べばいい
あるいは前段として整理してみてもいいだろう
整理することで具体例と抽象的分類を行き来できるので、より自分が欲しがる仕事術(特に方針)を思いつきやすくなる
例:
先ほど筆者が仕事術を20個挙げてを見て軽く整理したところ、エネルギーとダメージという分類を思いついた
エネルギー
このサイトではリソースと呼んでいるが、何かを行うために使う燃料
燃料をいつ使うか考えたり、補充の仕方を練ったり、低燃費や節約を意識したりできるといい
「では、そういったことをするための仕事術は?」との観点で、仕事術を改めて眺めてみると探せそうだ
ダメージ
このサイトでは📝デバフあたりで言及しているが、エネルギーの消費以外の何かがある
それは心身に傷として残る「ダメージ」なるものではないか
ダメージは痛いので負いたくないし、負ったら速やかに回復するべきだろう
低性能はただでさえ性能が低くて不利なのだからなおさら
仕事術としては「ワークライフバランス」のようなバランスの取り方や、休憩や睡眠といった回復行動あたりが使えるのではないか?
メモとしては、自分の言葉でキーワードやフレーズをメモできるといい
たとえば「集中」「会議」「完成を描く」「人に任せる」
ありきたりなキーワードやフレーズかもしれないが構わない
深堀りするのはこの後
重要なのは、自分で調べて考えて選んだものだということ
当事者性
3: メモしたものの中から深堀りしたいものを選び、深堀りする
深堀りとは:
選んだものを頭に入れた上で(横に常に表示しておいて等でも良い)、1: の仕事術集めをやる
選んだもので検索したり生成AIに聞いたりしてみる
選んだものを表現してそうな書籍、長い記事やウェブサイトを読んでみる
選んだものを知ってそうな人から話を聞く etc
たとえば 2: で「人に任せる」を選んだとして、これを深堀りする
難しく言えば「委譲(デリゲーション)」という。このキーワードで調べてみるとか
人に任せることを生業とした役割、たとえばマネージャーや経営者について調べてみるとか
人に任せるとはどういうことか、でブレストしてみるとか
人からは外れるが、機械に任せることはできないか、というわけで調べてみるとか
おそらくITを用いた自動化の話が出てくる
どこまで深堀りするか
Ans: 使えそう or 使えなさそうと判断できるところまで
どういう前提で、どういう考え方・やり方で何ができるかを自分なりに理解する
その上で、自分の現状に当てはめて、どこで使えそうかを考えてみる
4: 行動する
実際に使ってみる
まずは軽いお試しでいい
例:
「人に任せる」を深堀りしていた
声に出さないと困っていることがわからない、という金言があり共感した
声を出して頼ってみたいと思った
来週は仕事で「~~をお願いしたいのですが」を、上司でも同僚でもいいので誰か一人に言いたい
目標: 上司でも同僚でも誰でもいいので「~~をお願いしたいのですが」をいう
あとは、この目標を忘れず行うための仕込みをする
羅針盤に従った行動をする
行動してみることで「良かった」「悪かった」「よくわからなかった」などフィードバックが得られる
これを踏まえて、次の行動を考えて、またやってみる
この繰り返し
行動を繰り返すと、そのうち状態が確定する
状態は以下のいずれか
定着: 使いこなせるようになったし、使える機会もそこそこある
撤退: 自分には使えそうにない、あるいは使える機会がないのでやめる
様子見: 使えそうだが使える機会がない。機会待ち(まだ撤退はしない)
状態が確定したら、次の仕事術に移る
そうやって仕事術を一つずつ確定させていく
シングルタスクというが、一つずつ確定させていくことが重要
よくあるアンチパターンは「あれもこれも手をつけて、結局どれも中途半端になる」こと
そうではなく一つずつやる
「現在抱えている "お試し中の仕事術"」をコントロールするイメージ
キャパシティは人によって違う。5個くらいいける人もいれば、1-2個が限度の人もいるだろう
マイペースにやればいい
確定した仕事術は下ろして、別の仕事術を上げる