編入試験で使った参考書
同じ問題集や同じ分野を触っていると飽きるので、いろんな問題集をいろんな時期にやった。したがって、取り組んだ時期は明記していないし、何ヶ月で一周したとも書けない。「フォントがダサい」とかクソみたいな理由で手を付けなかったものも多いので気をつけてほしい。このページに限らず、編入体験記はどれもけっこう適当なので、実際に図書館や本屋で自分の目で見て・手を動かして調べてみてください。
入手ルート
Amazon・ヨドバシ:新品を速く入手できる。
メルカリ:安い。編入が終わる7月〜10月、卒業する2月〜3月が狙い目。高校生向けのは年中大量に出回っている。
書店:現物を見て新品を購入できる。誤植の多い本でも新しい刷を確実に買える。
先輩:親しい先輩が教科書をたくさんくれた。寮の倉庫に捨てられたものももらってきた。
高専の図書館:編入に使える本もいろいろ揃っている。ここで紹介する本も多く入っている。借りパクダメ絶対。
いずれ後輩にあげるつもりで買うと、役に立たなくても損した感じにはならないし、世代ごとの減価償却で考えたので支出への抵抗が減った。ちなみに筆者の参考書はすべて後輩に譲渡済み。
英語
編入試験用の英語対策書は存在しない。必要もない。大学入試と同程度か、それより低い難易度であることが多い。
3年9月以降はTOEICの学習はしていないことに注意(TOEICの勉強法を参照)。英語は高専生のなかではできる方なので、参考書のチョイスは参考にならない(英訳以外は半分趣味でやった)。各々の参考書の独立したレビューと捉えてほしい。つまりリストを一覧して「ふむふむ、こういうのを買えばいいんだな」と思うのではなく、「この教材が他の体験談でおすすめされているけれど、どうしてなんだろう?」を知るために読んでください、ということ。 英語の和訳・英訳は実際に手を動かして書いてみたほうが身についた。必要に応じて長文もいろいろ書き込みながら考えた。難しい文や長い文は主語・述語を明確にするだけでも楽になる。
鉄壁(改訂前)
単語帳。紙で3周ほど音読して、AnkiDroidに入れて3ヶ月ほどグルグルした。表紙とかっこいいのと装丁がしっかりしているので買った。イラストがあって単語のイメージを掴みやすい。ただ難しい単語(deterrentとか)が多くて、本当に必要なのかはわからん。だがここにある単語全部知らないと何も読めないので、一部の語彙は必要なんだろう。受験直後に見たけど難しいのは結構忘れてた。
単語の組み立てに不可欠な語幹・接辞の知識も一緒に身に付く。語の構造を知れば新しい単語を覚えるのは若干楽になる。どうしようもない難単語にもちょっとはタックルできるようになる。英単語の裏にある理屈に触れられるので、好きな人は好きかも。そういう人はXenom's English Databaseも楽しめる。でもやっぱり例外はあるのであまり厳密に捉えるとタイヘン。 英単語等に関してはとりあえずいろいろ覚えて、そこから法則を知っていった。ヨーロッパの地図を思い出してほしいが、英語はラテン(南欧)とゲルマン(北欧)がごちゃ混ぜになった言語なので、発音とスペルがいまいち一致しない。champagne(シャンペインと発音)はフランス語のChampagne(シャンパーニュ)から来ているが、綴りだけパクって発音は英語流。日本語のように「訳しようのない外来語をとりあえず異なる文字(カタカナ)で表記する」方法を持たないからだ(と思う)。不可算名詞と可算名詞についても理屈抜きで覚えるしかないものがある。
DUO
これも単語帳。表紙がダサかったのでほとんどやってない。類義語が多く掲載されている。語の構造についての話はほとんどない。
Database4500
学校の指定単語帳。楽しくなかったのであんまりやってない。接辞については巻末にリストがあるので、そこも見ておくといい。
NextStage(ネクステ)
これも学校で使った。なんやかんやで良い本だと思う。英訳本にも知らないイディオムや使い分けが紹介されているので、それはそれでちまちま覚えた。会話表現はそこまで熱心にやってないが、できるだけ感じをつかむようにはした。たとえば、"It serves you right"→「状況あるいは何かしら(it)が、正当に(right)相手に(you)仕える・提供する(serve)」→「相手がそうなるのは自然なことだ」→「ざまーみろ」って感じ(教科書には「ざまーみろ」としか書いてない)。やっぱり厳密に考えると詰まってしまう。
英文読解の透視図
古い感じの装丁の薄い本。2,3文の例文を50個ぐらい揃えたテーマ別の例題と、20個のチャレンジ問題からなる。解説はわかりやすくて、各例文の対象のテーマ以外の範囲も丁寧に解説している。ただ編入で使うものより難解な構文を扱う項目が多いから、出そうなところだけやるのがおすすめ。
英文解釈の技術100
読解(和訳つき)の本。学習法についてのアドバイスが冒頭にある。20個ぐらい読めないのがあったので、そこだけ繰り返し練習した。姉妹書に『入門〜』『基礎〜』がある。
竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本
英訳の本。60個ぐらいの公式と、それに対応する一般入試の問題を解説する。難しいので、問題を完璧に解けるようにするというよりは、問題を解いてみて知識を解説で補充する使い方をした。分厚いが、字がでかいだけなのでビビらなくて大丈夫。解説はまあまあ丁寧。
例解 和文英訳教本(文法矯正編・赤)
目から鱗の英訳本、というか文法解説書。「文法矯正」なので、文法をそもそも知らない人、たとえば三単現のsがわからない人には無意味。時制と冠詞の解説がわかりやすい。will, be going to, 現在進行形の微妙な使い分けがよくわかる。ただ英訳に直接いきなり役立つかというと、それは5割ぐらいな気がする。自信をもって書きたい人・納得したい人が使えばOK。
例解 和文英訳教本(公式運用編・青)
英訳で使える公式を提示して、あとの8割は100のテーマ別例題で鍛えていく。編入の英語はテーマを絞る大学も多いのでこの分類は役に立つ。「文法矯正編」のつづきで、その復習が冒頭にあるので、こっちを読んで気になったら上に取り組むのもいいかも。
『例解』シリーズには「自由英作文編(緑)」もある。「長文編(黒)」もあるが、実際の一般入試の問題を扱うので『竹岡英作文』と同じぐらいの長さ。量を積みたい人にはおすすめ、解説の感じは公式運用編と同じ。同じ著者(小倉先生)による京大の和訳を扱った本もちょっと読んでみたが、難しすぎた。
難しいことを簡単に言い換えるのは『竹岡〜』、時制や冠詞については『例解』で練習した。
阪大の英語20カ年
大阪大学一般入試の英語を集めた本。編入の問題とトントンかちょっと難しいぐらいで、難構文でボコボコにしてくるわけではないので(他大学でも)十分使える。解説は丁寧。量を積むためにやった。和訳を全部やって、英訳をちょっとだけやった。
筆者は使っていないが、編入生がよく使う参考書
リンガメタリカ
速読英単語
ドラゴン・イングリッシュ
ビジュアル英文解釈
などなど…
数学
数学に関しては、ほぼ編入用の対策書で対応できる。ときどき各大学の問題を解いて、足りないところ、苦手なところをスポットで埋めていく。理学部の問題は学校に関わらず難しいので、工学部受験なら躊躇なく飛ばしてよい。
確率について補足。漸化式を解くには、次のような方法がある。
一般入試用の本にあるテクニック(特性方程式を解いたり、$ 2^nで割ったりする)を使う。
だいたい出るのは線形漸化式なので、線形微分方程式と似たようにして解く。『数学問題集』の2章1節(関数の展開)にある筑波のフィボナッチ数列の問題の解説で紹介されている。
確率変数が二項分布 $ B(n, p) に従うケースでは、その平均値 $ np とか分散 $ np(1-p)を知っておくと時間を節約できる(東京はこれ好きなんだよね)。一般的な分布(正規分布・ポアソン分布・指数分布・幾何分布・二項分布…)の平均・分散を求める問題はよく出るので、他についても結果を覚えておくと自信をもって導出できる。確率密度関数の操作(和・差など)・多次元確率変数・モーメント母関数を出す大学もある。
編入数学徹底研究
問題集。誤植少なめ。前提知識の整理にページを割いているので、問題は次の2つに比べてやや少なく、重要項目の導出は省かれている。解説はやや簡潔で、(そこまで自明でもない)解法に至った理由の説明がないことが多い。近年の研究で「徹底研究はべつに簡単ではない」ことが明らかになってきました。章末問題はふつうに難しい。前半の神戸大がめちゃくちゃ難しかった記憶がある。
例題・類題には出典がないが、編入過去問もあれば大学入試の問題もあるし、たぶんどちらでもない問題もある。問題のセレクトがやや謎。行列のブロック分割はほとんど出ない。条件付き確率の例題(帽子忘れ太郎)は1976年早稲田の有名な問題だが、これを例題にするのはどうなんだろう。東工・京都等のクセの強い問題も紛れ込んでいるので、あまりにも変な発想を要求する問題は無視した。巻末に「『大学への数学』のナントカをめっちゃ解いたよ〜」って自慢してるので数学がすごく得意な著者なんだと思う。
数学/徹底演習
問題集。解説はあまり丁寧ではないし、誤植のオンパレードなので、数学の苦手な人が右も左もわからない初期に取り組むのはおすすめしない。理学部の問題にマークをつけてくれている。単純な微積分が難問ばかりだが、他はふつう。明石高専図書館に5冊ぐらい置いてる。
大学編入のための数学問題集
問題集。教科書『新なんちゃら』と同じ会社(大日本図書)から出ている過去問集。教科書からの接続を重視しているようで、教科書に戻れるようにリンクが張ってある。誤植が少なく、解説が一番丁寧で印刷も綺麗なので一番やり込んだ(ベタ褒め)。
難しすぎる問題や、教科書にしか載ってないような問題はパスした。ベクトルによってメネラウスの定理を証明するやつとか。ケイリー・ハミルトンの定理の説明はわかりづらすぎるから、他の本を参考にした。教科書で説明していないベクトル空間については丁寧に説明している。複素関数の問題がやや少ない。
上に挙げた『徹底研究』『徹底演習』『数学問題集』と『過去問特訓』はポピュラー。数列と偏微分と線形代数は数学問題集が、微積と応用数学は徹底演習が難しい気がする。どれも一長一短だし、本屋でサッとみて問題の良し悪しを判断するのも難しいから、買ってしまっていいのでは…。
合格る計算(緑: 数学I/II/A/B)
計算テクニックを専門に扱った本(こういうのまであるんだね…)。数学I/II/A/Bは『新基礎数学』+ベクトル。計算ミスがなかなか減らないので使ってみた。普段の問題を解きながら改善したかったのだけれど、なかなか初歩的な計算の方法まで気が回らなかったから。結果的にはまあまあ役立った…かな?
合格る計算(オレンジ: 数学III)
数学IIIなので『新微分積分I』+いろいろ。置換・部分積分を楽にする方法が紹介されているが、個人的にはあまり役に立たなかった(受けたところはそんなに重い積分が出なかった)。
合格る確率
高校範囲の離散確率を一冊で。漸化式・条件付き確率・図形が絡む問題も一網打尽。解説も丁寧だが、1トピックが見開きに収まっているのがありがたい。必要そうなところだけやった。当然高校範囲+αしか扱っていないとはいえ、連続型の確率については上記の編入問題集での対策で十分。
細野真宏の確率が本当によくわかる本
高校生向けの離散確率の本。条件付き確率の解説がない。非常に口語的な本で最初はよかったんだけど、途中からなぜかイライラしてきた。文字が大きく一ページあたりの情報量が少ないが、それだけ分厚い。練習問題が難しくて解法を自分の中で整理できずにやる気がなくなったので前半だけやって友達にあげた。友達曰く良い本だった。
大日本図書の「新〜」シリーズ
高専数学の教科書。基礎的な事項に限ってシンプルに解説してくれているので、勉強中に「アレ?」と思ったところでサッと引くのに便利だった。ただヤコビアンや全微分の説明は回りくどくて、イメージが掴みづらかったので、『よくわかる〜』シリーズの付録の物理数学を読んで比較した。
青チャート
有名なやつ。例題は多いが、解説が少なめ。編入のためだけに買うと、ほとんど使うことなく終わる。『本当によくわかる本』では足りなかった漸化式・条件付き確率対策に使った。最終的には『合格る確率』で対処した。
理工系の数学入門コース 確率・統計(岩波)
連続型の確率変数や、確率変数の和や積を正しく理解したいと思って借りた。解説がわかりやすくてよかった。確率統計は問題集でもだいたいカバーできるんだけど、一回教科書をさらっと読むと分野を概観できて、チェビシェフの定理などの意味もわかった。
マセマ複素関数
これもポピュラー。最低限の範囲を2周ぐらいした。写像含めバランスよく扱っている。リーマン面はよくわからんかった。ただマセマは数式フォントが気持ち悪くてほとんど使ってない。複素解析に関しては写像以外は授業と問題集で十分だった気もする。
複素関数攻略への一本道
イメージを重視した本。わかりやすかった。ちょっとだけ読んで、コラムのC-R方程式の簡単な導出だけ盗んで活用した。ジョルダンの補助定理はやってない。
すぐわかる複素解析
基礎的な関数$ w = e^{i z}, \cos{z}, z^2で直線や点がどう移されるか(写像)を勉強するために使った。例題・類題の構成はマセマと似ている。
弱点克服 大学生の複素関数・微分方程式
問題集。『弱点克服』シリーズではあるが、初等力学や電磁気学編とは著者が異なる。難しい微分方程式の問題を解けるようになりたいと思って買ったが、なんか違うなと思ってやめた。解法が編入用問題集のそれと違ったり、演算子法や偏微分方程式をガッツリ扱っていたりする。
筆者は使っていないが、編入生がよく使う参考書
編入数学過去問特訓
マセマ(線形代数、微分積分、確率統計…)
物理
編入過去問を中心に扱った問題集は『弱点克服』シリーズのみ。教科書は高校生向けと大学生向けを併用してなんとか乗り切るしかない。必要なところだけ理解すればいい。こと物理についてはいろいろな解説の仕方があるから、1冊でわからなくても他でなんとかなる(頭が悪いんじゃない、本が悪いw)。有名な定理はもちろんだが、どこかの大学の良問は複数の問題集で解説されることも多いので見比べると理解が進む。
東京の物理3問目のお楽しみ枠に対策しようとして、解析力学とか流体力学とかも読んでみたりした。なんにもわからなかったが、気分転換にはよかった。
電気磁気学 その物理像と詳論(森北)
学校で使っていた教科書。印刷がきれい。電気影像法の発展的な問題(誘電体を使ったのは東京で出た)や、磁性体や電磁波までしっかり扱っている。解説は図解多めで丁寧な印象で、問題も編入で使えるものが多い。『よくわかる電磁気学』の後に加えて読むといいかも。電磁気のO先生は後半ヘルツベクトルとか言い出すけどあんなの出ないから安心してほしい。つーか電磁波以降はほとんど出ない。
電磁気学の考え方
電磁気学の教科書。比較的易しい。演習問題つき。あんまりちゃんと読んでない。砂川先生の本には他にハンディサイズの『電磁気学』『電磁気学演習』があるが、これらはちょっと難しめ。問題を解いてたら混乱してよくわからなくなったのでこのあたりの電磁気の本を4冊並べて部屋グルグルしてうんうん言ってたら一日が終わったことがある。
よくわかる電磁気学
電磁気学の教科書のなかでは一番よく読み込んだ。電磁波の解説は薄い。
『よくわかる』シリーズは琉球大前野先生の講義ノートが元になっていて、これはPDFがネットに公開されている(なんなら図はカラーのPDFのほうが見やすい)。図も文も親切すぎて情報量が多いので、初めて勉強するときは読み切るのに時間がかかる。高校生〜学部1,2年生向けなので、学習上の心構えとか歴史的事情とかもがっつり書いてある。電気系なら力学・電磁気学はある程度勉強しているはずなので、「2冊目」として読むならスムーズに進む。知っているところでも読むと理解が深まる。二人に勧めてみたところ、一人からは「めっちゃわかりやすい」、もう一人からは「まわりくどい」という反応をもらった。 巻末の物理で使う数学の解説がよくて、物理的なイメージを掴めた。おなじみ$ \mathrm{div, rot, grad} とか、偏微分とか積分可能条件、完全微分方程式とか。すでに数学の本で理解していても、物理の観点から見ると楽しい。なお演習問題は難しい。問題の解説も丁寧だから、時間をかければ理解できるのだが、演習は別の本で積んだ。
よくわかる初等力学
大学力学の教科書。運動方程式や諸々の法則の見方が変わった。「たかが編入物理で何言ってんのw」と自分でも言いたくなるが、そういうのが意欲を潰すのだと思う。「運動量保存則は運動方程式の積分形」とあって膝を打ち、この記述がすごいね、って話をしたら「自明じゃんw」と一蹴された。ヘコんだ。今思えばこれが一人で勉強することにした遠因だった。慣性テンソルは理解してない(そもそもテンソルがわからん)。
細かいところに目をつむれば、この2冊で物理の考え方がよくわかった。
よくわかる熱力学
熱力学の教科書。2020年9月に出版されたのをたまたま本屋で見つけてすぐに買った。物理で使うだけなら半分ちょっと読めば大丈夫。物理の範囲に加え、化学ポテンシャルやGibbsの自由エネルギー、エントロピー的な力など化学熱力学の範囲まで解説されている。最初のルジャンドル変換はよくわからなかったけど、しばらくはそれでも読み進められた。「こういうことができる物理量は、こんな性質があればいいのかな?」と、少しずつ定義をしていく流れが多く見られる。
初等力学・電磁気学と違ってまともに勉強したことがなかったからか、読み進めるのに骨が折れて、エントロピーのあたりでしばらく止まってしまった。初めはファンデルワールス気体などは飛ばすといいかも。演習書で問題を解いて整理してみたり、『アトキンス物理化学』などで他の説明のアプローチを探ったりした。
弱点克服 大学生の初等力学
一般入試・編入試・院試の問題が合わせて80問ぐらい載っている問題集。解答案は丁寧だが、解説はそうでもないので『演習力学』と併せて読むと得るものが多い。テンポが良い。誤植量が半端じゃないが、第2刷以降を買えばかなり修正されている。
弱点克服 大学生の電磁気学
↑と同じ著者(石川先生)の本。同様のレベルの電磁気学の問題がこちらも60問強載っている。ベクトル解析をゴリゴリ使う問題は少なく、磁性体と電磁波の問題はない。こちらも誤植がすごい。初刷だと1問に1つは間違っている。メルカリで間違いを訂正したものを探して買った。
2022/1/4追記: 以上の『弱点克服』シリーズの2冊はもう絶版になってしまったらしい。残念。
熱・統計力学演習
化学・物理熱力学の易しめの例題がたくさん。サイクルから熱力学的関係式($ dU = TdS - PdV とか)のあたりまでやった。数値計算とか化学の言葉がいっぱいの問は解いてない。
演習 力学(今井先生など)
純色の黄色の本。1章は難しいから後回しでOK(『よくわかる初等力学』を読んでからやった)。6,7章の解析力学も工学部編入では出ない。ラーモアの定理とか、ようわからん類題は難しすぎるのでやってない。解説ではベクトルを使って抽象的に論じるのが多い。イメージを掴みやすいからよく読んだが、実際試験でガッツリ計算させることってあんまりない。たいてい何かの成分がゼロだったり軸に沿ってたりする。二次元極座標の運動方程式はたま〜に出る印象。
新・演習 力学(阿部先生)
こっちはオレンジっぽい黄色。『演習 力学』よりちょっとやさしい…? 球の慣性モーメントの出し方はこれに載ってた対称性を使うやり方が好き。他には極座標を使う方法と円盤を積み重ねる方法があるけれど、どれか一つをさらさら使えるようにしておけばよかった(当日ちょっと混乱した)。解析力学の記述が『演習 力学』より多い。
物理のエッセンス
高校生向けの物理の本。教科書だが例題たくさん。赤(力学・波動)と青(電磁気・熱・原子)がある。問題を解いてみたが、$ v^2 - v_0^2 = 2axみたいな公式を多用していてイライラして続かなかった。こういう準公式も一度は覚えようとしたけれどやっぱり編入ではあんまり使わないのでやめた。積分使えないって大変だね。例題は簡単なのもあれば、難しいのもあるから、テクニックを知るのには良い。
名問の森物理(2分冊)
高校生向けの演習書。名問たくさん。力学は4周、波動は2周、電磁気はコンデンサだけ1周、熱は直前にさらっと1周(基礎工対策)。力学が(エッセンスをサボったので)難しくて初めは45問中3問ぐらいしか完答できなかった。それぐらいのほうが意欲が出るのもあって、エッセンスには立ち戻らずヒイヒイ言いながらそのまま周回したらほとんど解けるようになった。
新・物理入門問題演習
これも高校生向けの演習書だが、微分方程式を使って解説しているのもあって読みやすい。『新・物理入門』という教科書(持ってない)の演習書。字がでかい。力学は3周ぐらい、波動は1周した。今思えばなんでこんなに力学ばっかりやっていたのかわからん…。名問の森と似たような問題(でもちょっと違うの)がある。比較的簡単で小さい問題も扱っているのでとっつきやすかった。
基礎物理学演習(水色、共立)
最初に使った大学物理の問題集で、電磁気の範囲だけやった。今思えば電磁波とかはそれほど頑張らなくてもよかったな。面白い問題もある。解説は一般的な丁寧さ。ただ編入に出る問題とはちょっと違ったので、夏休みが終わってからは『弱点克服』に移行した。
基礎力学(裳華房) 学校指定の力学の教科書。語り口はやさしいんだけど読んでもよくわからなかった。古い雰囲気の印刷もあいまってやる気なくした。
総合物理 授業の教科書。装丁がフルカラーなので目がチカチカした。図解は丁寧。
PEL工業力学 寮で拾ってつまみ読み。基礎的な大学力学の入門にはよさそう。
入門過渡現象(オーム社), 電気回路(実教) 授業で使った教科書。東京が一度交流回路を出してきたのでちょっとだけ読み直した。懐かしい気持ちになった。編入物理の電気回路なら『弱点克服』で十分。
連続体と流体 ベクトル解析を多用して抽象的にすすめていたので難しすぎた。
量子力学の考え方 わかりやすいんだけど、あまり時間を書けられなくてわからないまま終わってしまった。アインシュタインはえらい。
よくわかる解析力学 これも『よくわかる』シリーズの一つ。迷走してた時期にちょっとだけ(ハミルトニアンの手前ぐらいまで)読んだ。
マセマ(量子力学・演習熱力学) まあまあわかりやすかった。
筆者は使っていないが、編入生がよく使う参考書
基礎物理学演習I, II(黄色、サイエンス社):寮の倉庫でIを拾った。誤植が多いらしいのと、上記の『弱点克服』のほうが良さそうだったから使ってない。
マセマ電磁気学、力学、大学基礎物理etc
ファインマン物理学:人によって評価が分かれる。英語版はオンラインで無料で読める。
化学熱力学
化学はアトキンスとかマクマリーとかハートとかそういうのやるんですよね(知らんけど)。東京の理科試験に化学が追加されてから2回試験があって、一方の年では3問目(お楽しみ枠)が難しくて4問目(熱力学)が簡単、もう一方の年では逆だったので、化学熱力学を勉強しておくといいのでは?と思って読んでみた。蓋を開けてみると今年は3問目も4問目も何言ってるかわかりませんでした(完)。
アトキンス物理化学
イカツい見た目に反してフルカラー。Gibbsエネルギーのあたりまでは読めたが、ラウールの法則が出てきたあたりから高校化学の素養がなさすぎてわからなくなった。化学もちゃんとやったら面白いんだろうな、とは思った。
たのしい物理化学1
化学熱力学と反応速度論についての本。こちらもフルカラー。演習問題は解答付き。アトキンスに比べて説明は簡潔な印象だが、日本人が書いているのもあってか親しみやすい雰囲気。UP-THAS-VGは便利。 その他
過去問
いろいろな大学のを見てみて、受験するところのはもちろん、面白そうなのとか傾向が似たのを解いた。東京、大阪基礎工の数物は10〜13年分ぐらい解いた。得意な英語は5年分ほど。ほとんどは1回解いて終わり。どちらかといえば出題の意味(これすらわからん問題も多かった)や解けた・解けなかった理由を考えたり、ノートを見直したりすることに時間を使った。
英語:難易度はどこでもそんなに大差ないので、どれでもいいのでは?w 大阪工学部は文法問題を出すし、電通は要約を出すという特徴がある。英語は信頼できる解答を手に入れにくいので、普通に一般入試向けの本で量を積んだほうがよさそう。
数学:一番特色が出る。東京は微分方程式を毎年出すので、バリエーションが豊富。筑波の線形代数は難しい印象(というかちょっと前までの東京が簡単すぎた…)。京都は数列を出したり、電通はベクトル空間を毎年出したりする。
物理:名古屋、東京は勉強になった。東工と東京は似てるらしい。基礎工の電磁気は頭一つ抜けた難易度(電磁波とか)。それでも理学部よりは簡単なのかも。
YouTube
両方英語のチャンネルだが、ネイティブ・北欧なので聞き取りやすい。日本語ならヨビノリを見る人が多い。
キルミーベイベー
ソーニャ。90%オフセールで買った。
人文系の本
数式ばっかり見てたらキツくなってきたので図書館でいろいろ関係ない本借りて読んでた。