(教材)06【Pythonことはじめ】
ここでは,Pythonに必要かつ最低限の操作知識を列挙する.
1. Pythonの起動・終了など基本操作
2. Python対話モード → 簡単なコマンドを入力してPythonを体験
3. 簡単なプログラムファイルを作成し,それを実行する.
■1. Pythonの起動・終了
[1]対話モードの起動 ("python3")
本実習で使うPythonはver3で,実行コマンドは"python3"
シェルのコマンドプロンプトで,"python3"と打つと,次のようになる.
code:▼はENter
$ python3▼
Python 3.8.10 (default, May 26 2023, 14:05:08)
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>
最後の">>>"がPythonのプロンプト (ターミナルの"$"のようなもの) .
これを「対話モード」といい,ここにPythonのコマンドを入力すると,すぐに実行される.
ただし,このモードはちょっとしたテストなどに使う程度で,実際には別途プログラムファイルを作成し,それをPythonに読み込ませて実行する.
★注意★ここで,"Command not found"等のエラーがでたら,python3 がインストールできていない.以下のコマンドで"python3" をインストールする("python"ではなく"python3")
Windows:
$ sudo apt install python3 -y
MacOS:
$ brew install python3
[2]対話モードの終了 ("quit()",Ctrl+D)
Pythonの終了には"quit()"と入力するか,またはCtrl+D (Contrlを押しながらD) を入力する.
code:▼はEnter
Python 3.8.10 (default, May 26 2023, 14:05:08)
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>> quit()▼ #◀◀ 終了コマンド (関数) $
この"quit()"は特別な呪文ではなく,Pythonが持っている数多くの「関数」の1つ.
"Ctrl+D"はご存知のとおり,Unix共通の「コマンド入力終了」の信号.
※quit()よりも簡単だが,初心者が使うのはお勧めしない.
"Ctrl+D"はシェルの終了信号でもあるので,間違って"Ctrl+D"を2回連続で押すと,Pythonだけでなくターミナルも終了してしまう.
※MacOSではシェルで"Ctrl+D"を押すと,「終了します」の表示が出てウィンドウは 閉じないが,シェルはもう動いていない.
■2. 対話モードでPython体験
せっかくなので,対話モードを使って簡単な操作をし,Pythonの動きを見てみよう.
[1] Pythonを起動させ,次のコマンドを入力しなさい.
※以下の行を入力.▼はEnter.'>>>'はプロンプト記号.▼のない行はPythonからの出力
code:▼はEnter,■はプロンプト
>> print("Hello World!")▼ #◀◀ お決まりの一発目 Hello World! #◀◀ Pythonからの出力 >> help(print)▼
#▶▶ 画面が切り替わってprint文のヘルプが表示される ('q'で閉じる) >> a=input()▼ #◀◀ キーボードから値を入力してaに代入 hogehoge▼ #◀◀ キー入力を求められるので,何でもいいから入力 >> print(a)▼
hogehoge #◀◀ 入力した文字が出力される >> c=3▼
>> d=128▼
>> print(b+d**c)▼ #◀◀ 計算して出力 (**はべき乗演算) 2097408
>> print(d/c/b)▼ #◀◀ 割り算する 0.16666666666666666 #◀◀ 小数だとこんな感じ $
[2]計算機実習1第1回課題01-3にあるbcの課題をPythonで解いてみよう.
Pythonを使って次の x を計算しなさい.
※$ a\cdot 4(a - b)などの"$ \cdot"は積を表す
$ a = 13579246^7 b = 24681357^6
$ x = \frac{a\cdot 4( a − b ) − b\cdot 3( b − a )}{a\cdot b}
※第1回課題で間違えてた人が多い.リベンジするべし!
■3. Pythonの基本ルールと特徴
ここで,最低限守るべき言語のルールや特徴についてごく簡単に説明する.
Pythonは高級言語の中では記述がシンプルな言語だと言える.
ルールとして注意するべきことは,あまり多くない.
※ただしこれらのルールを守らないとプログラムとしてうまく動かない.
これ以降,何度でも確かめながら,プログラミングを進めること.
■4. プログラム実行でPython体験
[1]プログラム実行 (ファイル指定起動)
(1) 以下のプログラムをUnixのエディタを使って作成し,"lesson4-01.py" という名で保存しなさい.
※一見複雑に見えるが,たった10行なので,まずは手で入力してみる.
インデント,大文字小文字,記号に注意して,丁寧に入力すること.
※今はひとつずつの意味はわからなくても構わない.
※"#◀◀"から右は解説なので,書かないこと.
※2行目以降,左側の空白 (インデント) はTABキーで字下げする.
★インデントはTABの代わりに半角空白でもよいが,全角空白と混在するリスクを考えると,TABで統一するのがよいだろう.
code:lesson6-01.py
while True: #◀◀ 1行目は字下げせず左端 name=input("名前?:") #◀◀ TABキーでインデント number=eval(input("回数?:"))
for i in range(number): #◀◀ インデント2段目 print("Hello, %s." % name) #◀◀ インデント4段目 elif i%3==1: #◀◀ インデントを戻し3段目 print("\tHey, %s!" % name) #◀◀ インデント4段目 print("\t\tHello, World!!!") #◀◀ インデント4段目 (2) このファイルを引数とし,"python3"コマンドを実行すると,上記プログラムが実行される.
$ python3 lesson6-01.py▼
または
$ python3 ./lesson6-01.py▼
実際にやってみよう. ▼▼ は例.実際にはいろいろ入力してみること.
code:lesson6-01.py実行
$ python3 lesson6-01.py▼
名前?:藤井大輔▼ #◀◀ 名前を入れる (適当) 回数?:7▼ #◀◀ 表示行数を半角数字で入れる (適当) Hey, 藤井大輔!
Hello, World!!!
Hello, 藤井大輔.
Hey, 藤井大輔!
Hello, World!!!
Hello, 藤井大輔. #◀◀ 指定の7行でストップ 回数?:5▼
Hello, 小堀聡.
Hey, 小堀聡!
Hello, World!!!
Hello, 小堀聡.
Hey, 小堀聡!
名前?:^CTraceback (most recent call last): #◀◀ やめる時はCtrl+c File "lesson6-01.py", line 2, in #◀◀ エラーが出るが…… name=input("名前?:") #◀◀ これは想定内 KeyboardInterrupt #◀◀ キー入力が中断されたとのこと.それでいい $
※このプログラムは何度でも繰り返す (永久ループ/無限ループ) .
→ やめる時は Ctrl+C を押す.
【解説】
実は,このプログラムは本実習で使う機能を全部含んでいる.つまり,このプログラムが動けば,今回も次回も大丈夫!というわけだ.
しかし,もしエラーばかりでうまく動かない場合は,上記プログラムソースをコピーして,エディタに貼り付けて実行してみる.
どうしてもうまくいかなければ,いまの段階でデバッグ作業は難しいので,とりあえず次に進んでよい.
※その際に,エラーメッセージを記録しておくこと.
「デバッグの第一歩はメッセージのロギングから」だ.
ほとんどのPythonプログラムは上のように,エディタ等でプログラムファイルを作成し,そのファイルを指定して実行する.本実習もプログラムの作成と実行は,この方法で行う.
※学習の都合上,一部,対話モードでの操作もある.
※エディタはnanoでもviでもよいが,Unixのエディタを使うこと.
[2]プログラムファイルそのものを実行 (オプション)
ターミナルからいちいち"python3"とやるのではなく,書いたプログラム本体を実行すると,プログラムっぽい使い方(実行方法)ができる.
これはUnix特有の方法である.
※以下の実行方法は本実習ではMUSTではない.が,この方法のほうがスマートなので,やれる人はやっても構わない.
※MacOSではpython3の実行ファイルの場所がUbuntuと違うので注意
1. python3の実行パスを確認する.
$ which python3
を実行すると以下のように表示される.
※必ず自PCで確認すること
/usr/bin/python3 (Win)
/usr/local/bin/python3 (MacOS)
2. 上記で作成したプログラム (lesson6-01.py) の1行目に以下を追加する.
#!/usr/bin/env python3 ← Win/Mac共通(のはず)
※これをシェバンまたはシバンと呼ぶ
※上記でうまく実行できない場合,実行ファイルのパスを直接記述する.
#!/usr/bin/python3 (Win)
#!/usr/local/bin/python3(MacOS)
3. ファイルの属性を「実行可能」にする.
$ chmod +x lesson6-01.py▼
4. こうすると,"python3"の引数としていちいち指定せずとも,
$ ./lesson6-01.py▼
と,あたかも普通のコマンドのように実行できる.
以上,これまでで,最低限のPythonの動かし方はわかったと思う.
次回以降,lesson6-01.py の中身に関わる内容を少しずつ紹介する.
■5. 参考サイト
いろいろなWebPageでの解説記事を参照して,効率よく学習していこう.
参考になるだろうサイトを紹介しておく.
< Python入門> ◀◀ Python学習講座 (PythonエンジニアによるPython3学習サイト) 自分に合うサイトを見つけると,学習は楽しくなり,学習効果がぐっとアップする.「ここはいいよ」というサイトがあればぜひ,質問チャネルに書き込んで紹介してほしい.
以上.
2023/6/26