B.参考03:検索サイトの考察と検索の工夫
web検索はなんらかの検索サイトを利用することがほとんどだ.しかし検索サイトによって検索結果が異なることはあまり知られていない.また,検索方法を工夫することで,より的確な結果を得られる.以下に4つの視点でまとめた.
◎1◎検索サイトを意識する
検索する時に「検索サイト」を意識している人は少なく,ほとんどの人はなんとなく「Google」か「Bing」を使っているだろう.しかし検索サイトは他にも多数ある.日本だと「Yahoo」が有名(2010年頃までは日本ではYahooが検索サイトのトップ). これらの検索サイトはそれぞれ独自の検索アルゴリズムを持っている.したがって同じワードを検索しても検索結果が異なることがある.
また,最近は検索上位に必ず「スポンサー」付きの結果が出てくるが,これもサイトによって異なる.
以下に検索エンジンのランキングを示す.
↑↑ これはSEOのツールを開発販売する会社のサイト.
世界には様々な検索サイトがあるが,上の記事によれば,世界でも日本でもGoogleはダントツ('23年1月データ).
Google :日本シェア1位 77.2%,世界シェア1位 92.9%
Yahooo :日本シェア2位 14.7%,世界シェア3位 1.21% ← 1位と大差
Bing :日本シェア3位 7.18%,世界シェア2位 3.03%
日本ではあまり意識しないが,国によって特定の検索サイトが使えないことがある.
Googleは中国では使えない.(中国では他にも多くのサイトが規制されている)
また,2022年4月6日からYahooはEU諸国とイギリスでは使えない.
他にもユニークな検索サイトがある.
その他,様々な検索エンジンの紹介記事を紹介しておく.以下の記事では検索サイトのしくみにも触れているので,一読されたい.
◎2◎検索方法を工夫する
ただキーワードをいれるだけでなく,より合理的に欲しい情報に近づくのには工夫が必要.以下にWeb検索のやり方や工夫を教えてくれるサイトを紹介する.
※サイト内検索とは検索対象を特定のサイトに絞った検索
皆さんのほうがよく知っているかもしれないハッシュタグ検索についての記事.SNSはフローの情報文化( どんどん流れていく )なので,最新情報やトレンドを知ることができる一方で,まとまった知識体系や,複雑な条件の概念や文言の検索には向いていない.ハッシュタグ検索はそれを補完する方法の一つだとも言えるだろう
◎3◎専門特化サイトを活用する
目的や知識に特化したサイトも多数存在する.例として,以下に「事典・辞書」サイトを紹介する.
Wikipedia:百科事典的な知識体系といえばこれ.日本語サイトより英語サイトが充実している LDOCE:LONGMANの辞書サイト.デフォルトで英英辞典.メニューで"English-Japanese"を選べば英和辞典になる. 技術的専門知識なら技術系の企業サイトには基礎知識や用語集が載せられていることもある.また業界新聞の出版社サイトにもその専門分野のまとまった知識や時事コラムがある.サイト内検索を活用すればそういうサイトを「狙い撃ち」できる.
※補足:専門データベースは図書館で※
専門分野にに特化した情報は,一般的にWeb検索で入手できる情報とは違い,信憑性が高いものが多い.ニュース等の時事情報を調べる場合でも,一般向けの新聞や雑誌ではなく,それぞれの分野に特化した情報源やデータベースにあたるべきである.ほとんどの場合はwebページとして検索できるようになっている.ただし,専門データベースは有料であることが多い.本学図書館は多くの有料データベースを契約しているので,活用しない手はない.データベース利用講習会も行っている.詳しくは図書館に問い合わること.
※補足:紙の辞書も魅力あり※
辞書・辞典・事典は,Web辞書や電子辞書ではなく,紙の辞書も実は認知的,学習・知的作業には非常に有用であることを補足しておきたい.
手で紙をめくって言葉を探す動作そのものが学習を促す
一覧性の良さにより目的語スバリでなくても,近辺を探すことができる
目的語以外の言葉が目について新たな学びを発見する
などなど,電子辞書にはない良さが沢山ある.一般国語辞典・英語辞典だけでなく,専門分野の事典も印刷書籍を一つは揃えることをお勧めしたい.
※ちなみに:藤井は中学から使っている英語の辞書を今でも愛用している(40年以上).ページがクシャクシャなのでとてもめくりやすく,他の辞書を引くのが嫌になるほど手に馴染んでいる.
◎4◎検索サイト批判も理解しておく
手軽に何でも検索できることは便利だが,手放しに喜べないこともある.
これはBooks&Apps というサイトで2017年に掲載されたコラム.少し古いが今でも当てはまる. 2010年頃までは検索サイトでの検索結果の上位はそれなりに順位を信用できるものだったが,現在はSEO( 検索最適化技術 )と広告の高度化が進みすぎて,検索者の意図に関わらず,まず広告が上位に表示されたり,検索語とは無関係の「推奨情報:レコメンデーション」が提示される.この状況では「正しい情報を検索するスキル」が相当高くないと,無駄な情報に振り回され,得たいものにたどり着けない――という話.以下に一部引用する.
https://gyazo.com/32d353c0896ba5ef7bd64845483801a5
他にも,現状の広告至上主義のようなwebのあり方に批判的な意見は多い.
以上.
2024/4/17