次年度以降(次回?)のアイデアメモ
2020年度のオンライン発表会を経て,もし次回以降,オンライン発表の場があるとすれば,なにをどう改善していけばよいのかを考えてみた.
◆複数のパラレルセッションに同時にしゃべる方法
パラレルセッションの開会や諸注意をアナウンスするのに,かなり苦労した.
できればパラレルに立ち上がっている発表会議に対して同時にアナウンスしたい.
そのための工夫を考えた.
主催者のPCで3つの会議を立ち上げ,参加しておく
← 実際に有効なのは1つで,ほかは「保留」になる
会議の数のPCでそれぞれのセッションに参加
← Teamsはwebアプリがあるので,別アカウントでwebブラウザを立ち上げれば(chromeだと可能),1台のPCでも複数の会議への参加は可能.しかし今回の目的にはそぐわない(画面が小さくなる)
話者のマイク音声を分岐してPCのマイクにつなげる:同時に複数会議に届く
マイク分岐にはチャネルスプリッタや多出力のヘッドホンアンプ等が必要
各PCの音声出力をまとめて聞く
これにはオーディオミキサが必要
マイクの系列とPC出力の系列は別々に考えてもよいが,一つのミキサで入力と出力を面倒見るのがてっとりばやい.
解:MAIN OUTと連動しない出力のあるオーディオミキサがあれば,音声を分けることができる.
具体的にはLINE OUT,AUX OUT,FX OUT,ALT OUT,MON(Monitor) OUT.
ミキサの出力は他にもCR(Control Room) OUT,PH(Phone) OUTがあり,機種によってはこれらの利用も可能.
中型以上のミキサは複数のAUX,複数のMON,複数のLINE OUTを持っているのが,10入力以下の小型だとAUXまたはFX OUTがある程度.それでもないよりはまし.
※ちなみにAUX OUTとFX OUTはなにが違うかといえば,多くの場合は,AUX=Pre Fader Line,FX=Post Fader Lineだ.
話者のマイクはAUXに送り,AUX OUTからマルチヘッドホンアンプ → 各PCのMIC入力に
各PCの音声OUTはミキサのメインMIXに送り,ミキサのヘッドホンで聴く
https://gyazo.com/badaf3815cd56b22cd15192a626e886d
こうすると:
話者はすべての会議で話ができる
内部処理で各会議のPCから自分の声はキャンセルされる
各会議で話される音声はミキサから聞こえる
聞きたいチャネルだけレベルを上げる
https://gyazo.com/b11c7ec24fb7e19e6cd33b80f46ffd6f
◆複数セッションを大型画面に同時表示する方法
複数の大型ディスプレイを複数PCに接続して提示
複数のプロジェクタ+スクリーン
設置が面倒.保管が面倒
マルチPBP装置を使う
複数台のPCの出力 → マルチHDMI PBP装置 → 四分割表示で出力
プロジェクタ投影
◎これらを総合すると,こんな感じ.
https://gyazo.com/616f3482c9be92a6368b5f835edfcd58
https://gyazo.com/7a6fd9981b0a518900dccdcc799f49f1
◆オーディオミキサについて
上の図では原理上,ミキサとスプリッタを別に考えているが,実際にはミキサ1台とマルチヘッドホンアンプまたは安価なパッシブスプリッタが現実的だ.
もし新たに導入するのであれば,まずはAUX OUTつきのミキサを導入する.チャネルスプリッタはお勧めしない.マイクの信号レベルはとても弱く位オーディオ回路で信号として扱うにはマイクプリアンプ回路が必要だ.
しかしチャンネル分岐装置(マルチプレクサやスプリッタ)の中でマイクプリアンプを内蔵しているいわゆるマイクスプリッタはそれなりの価格がするはラインレベルの信号を受けるように設計されていて,マイク信号は直接扱えない.マイク信号を入れるには前段にマイクプリアンプを接続する必要がある.
上述のように,ミキサにAUX OUTを複数のPCに入れるので,AUXが複数あればスプリッタは不要.
ただし,AUXが3系統とか,LINE OUTが3CH以上備わっているのはチャネル数の多い中級クラス以上のモデル.入力に4,5チャネルしか使わない本システムにはオーバースペック.
入力が4~6系統の小型ミキサには複数のAUXをもつものはない.
ディジタルミキサは小型でも多機能なものがあるので,新調するならコンパクトデジミキがおすすめ.(下記参照)
ただしデジミキの価格はアナログミキサの1.5倍~2倍.
このシステムの場合は入力が少ないので,大きなミキサは不要.AUX1系統あれば,そこからチャネルスプリッタを使うのがよい妥協案.
現実的にはチャネルデバイダとかスプリッタの専用機はやはりそれなりに高価.
→ ここは4CH程度のマルチヘッドホンアンプがよいと思う.
◆私のシステム
私のアリもので組んだ場合の例.
https://gyazo.com/90fa298374abfe852b6229208e300dc1
この子はAUXではなくFX OUT.
AUXとFXの違いはプリフェーダかポストフェーダか.
プリだとチャネルのフェーダーと無関係に送出
ポストだとチャネルフェーダ上げ下げに連動して送出
本システムの場合はプリフェーダのAUXのほうがいいが,ポストフェーダでもまあよし.
実際に私が所持しているのは10年以上前の旧モデルだが,機能はほぼ同じ.
価格は8千円~1万円程度.
この価格帯で,10入力は有り難い.
ミキサーとして最小限の機能があるので重宝して愛用している.
重量:1kgは有り難い!
※あと欲しいのはPFLスイッチまたはミュートスイッチ.小さくてもいいから,フェーダ上下ではなくON/OFFできるととてもうれしい.
https://gyazo.com/5701205f711cc37dace6b1b3e216c3bd
価格は3000円程度.音質は正直あまりよくないが,オンライン会議なら十分.
普段は録音モニタをスタッフに聴かせるのに重宝している.
こういうシステムの使い方をするにはこのモデル一択だと思う.
パッシブスプリッタ:
パッシプ(電源を使わない)なヘッドホン分配器もあるが電圧が落ちるし個別に調整ができない.
◆今構成するとすれば:
※上の組み合わせはアリものなので妥協はある.いま新規に揃えるとしたらいくつか挙げられる.
https://gyazo.com/84b5f77f090e68871ac4a0e8736d39e5
この子がすごいのはOUTの数.INPUT数が少ないのにALT OUT,AUX OUT,CR OUTと3拍子.
Mackieの特徴として,各チャネルにはMUTE/ALTボタンがある.完全MUTEではなくALTラインに送る発想.
→ これを使えば,AUXなしでもMUTE/ALTボタンだけで2系統に送り出せる.
ただ,2021年2月現在品薄らしく,入手に時間がかかりそうな感じ.
価格は2万円台なので,小遣いを貯めれば買える範囲.
重量:2kgとそこそこ.
https://gyazo.com/bd167279ad4efdaa9f695061e1884175
Zoomの製品は何を作ってもおもちゃっぽくて好きになれない.が,機能はバッチリで,ほしいところ以上に手が届く感じ.
このモデルはなんとヘッドフォンアウトが4つもある.本システムの目的にバッチリ!
オンライン配信用途に寄せてデザインされているらしく,心が揺さぶられる.
6つのポン出しボタンに拍手音とか始業ベル音を入れて雰囲気作りをしたい.
価格は3.5万~3.8万程度するので,気軽には買えないが不可能ではない微妙な線.
重量:1.5kgは軽い!
スライドフェーダなので奥行きは上記のものよりある.本システムにはスライドフェーダは不要だ.→OUTは削らずに,INを減らしてレベルをつまみにした,もう1ランクコンパクトなのがほしい(贅沢)
※重量とサイズ感は重要だ.常設するわけではないから.移動・設置・撤収に手間取りたくない.
◆時計はYouTubeLive配信!
Teamsで時計が見えなくなる(会場係にSpotlight設定しているにも関わらず)現象の対策.
ふと気づいた.OBSを使って時計をカメラとして提示しているのだから配信してしまえと.
YouTubeで配信したら,4秒程度の遅延.これならゆるせるかも.
https://gyazo.com/096472669bf17e031139c6971cdba142
YouTubeStudioの設定は「遅延最短」.これでないと4秒前後は難しい.
実際には修士公聴会でやってみた.直前に思いついたので,発表者や視聴者に周知徹底されていなかったこともあり,あまり利用されなかった.利用者の感想は普通に見えてよかったとのこと.
マルチパラレルセッションでも複数アカウントでライブ配信して各々のURLを共有すればよい.
配信動画は時計だけなので,アクセス制限する必要はない.世界中の誰が見てもかまわない.
今後は,もっと遅延の少ない方法はないかを模索.
例えば,Zoom会議を予約しておいてそこで時計を共有
◆パラ接続PCをMini PCに → 次年度?
会議に接続するPCはノート型を使っていたが,正直キーボードと画面が無駄.
KVMスイッチャーでキーボード・マウスを共用できるので,近くで確認できるモニタが一つ,入力を切り替えて確認できればそれでいい.
なのでPCはノート型でなくて超小型のスティックPCなどでよい.つまり, ▼▼
https://gyazo.com/d14913e96091d522596399ec918da699
PCのHDMI出力は分岐してKVMスイッチャとPBP装置に送出
KVMスイッチャはPCからのHDMIとUSBに接続する.
これで1つのディスプレイとキーボードでPCを切り替えて使える.
PBP装置にまとめられたHDMIは四分割の出力としてプロジェクタに接続
スクリーンにうつして大勢で見れるようにできる.
これによって,4分割してスクリーンに移された画面での操作は必要なくなる
共用モニタ1枚とキーボード/マウス1セットだけでシステムがすっきり
映像周り同様に,音響周りの次期企画を考えてみる.